チェンマイ発・ちょっとディープな北タイ日本語情報誌CHAO『ちゃ〜お』は毎月10日、25日に発行。本文へスキップ

タイのTVを見る(最終回)

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2008.05.24 Saturday

 

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「ちゃ〜お」84号から約1ヵ年、日本とタイのカルチャー・ギャップを取り上げて来ましたが、今回をもって一応終了させようと思います。約30程のギャップをご紹介しましたが、実はこの何倍?何十倍?のギャップが存在するのです。しかし、多くのロングステイヤーの皆さんが既に体験されたり、これから出会うかも知れないギャップの数はこの辺だろうというのが終了の理由です。
 タイ人の考える事とする事は日本人のそれと大きなギャップがあります。彼等の脳の構造や胸の内を切り開いてもっと覗いて見たい方は、タイのTVを見る事をお勧めします。良し悪しは別としても、TVは社会の鏡で、また時代のトレンドを作ると言われます。皆さんの殆どは言葉の壁でタイのTVをご覧にならないでしょうが、百聞は一見に如かずで、ストーリーは判らないでも画面だけの事は判ります。
 そして、最もお勧めはソープ・オペラと言われるTVドラマです。お涙頂戴の貧乏や立身出世物語はタイ人のお呼びではなく、大方のドラマは公園のような庭の中幾つかの超豪華な大邸宅が建ち、そこでのウルトラ金持ちの大家族の生活が舞台になります。全人口の10パーセント有るか無いかのこの生活が、タイ人の強烈な願望なのです。これがタイ人の浪費癖、インスタント・リッチを目指すギャンブル癖から、果ては横領、汚職や麻薬密売その他の不法犯罪行為の温床となっています。 
 さて、その設定で展開するドラマはというと、ハッピー・ドリームではなくて、男女、親子、夫婦間などの人間模様のもつれや財産の争いなどありったけのもめ事をリアルにまたはコミカルに描き、トップファッションの女同士がプロレス並みに取っ組み合い、女が男の横っ面を張り飛ばし、簡単にピストルなども登場する憎み合いの活劇です。これを見る聴視者は、自分で果たせないで鬱積している不満や怒りをキャストが代行してくれる事で溜飲を下げてスッキリするのです。その他にも日本人の常識では考えられない行動が数々登場します。
 それからタイドラマの特徴として現代劇時代劇を問わずその半数以上がオカルト仕立てである事で、登場人物の何人かが超能力者で神出鬼没、怪奇現象を演出し、眼、口や手の先から怪光線を出し、それに当たった相手は七転八倒し血反吐を吐いて失神するなどの場面が登場するのです。これは占いや心霊現象を異常なまでに信じ、それに恐れおののくタイ人の性格を表現します。このようなドラマの画面を見るだけでストーリーが判らなくても、タイ人の心の大部分を覗き見る事が出来て、今まで知らなかった更なるギャップを知る事が出来ます。
 ロングステイが長引くに従い、足元に開くギャップの広がりに気付きます。これに耐えられなくなってくると、それはロングステイ継続不能の兆しですから、楽しかった思い出が壊れないうちに帰国しましょう。反対にこのギャップをものともしないで、平気で乗越え、またそれを有利に逆用出来る人ならば、日本では思いもつかないユニークな世界を展開、エンジョイして、ロングステイどころか永住も可能でしょう。
 このコラムはこれで最終回となります。ご愛読ありがとうございました。では、また何かの機会に。


(116号掲載)

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メーバーン(メイド)

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2008.05.24 Saturday

 

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「タイ人のメイドに悩まされる」というのは、「ちゃ〜お」のコラムでも、また他の日本語情報誌でもレギュラーのトピックですね。結論から先に言うと、上手く使えないのは当たり前。
 その一は日本ではメイドをする人、メイドを雇う人は動植物で言えば絶滅寸前種族で、今チェンマイ周辺にロングステイしている人の殆どはメイドを使った事がないでしょう。車の運転が出来ない人がベンツやロ−ルスロイスを持っても、運転手がいなければ豚に真珠、猫に小判です。第二に言葉や習慣が違うのを理由にして雇主は弱気や遠慮勝ちで、雇われ人は自分に主導権があると思い込んでいるからです。
 もうこの世にいない我々の先代、先々代の時代には、下男、下女という言葉がありましたが、今日本ではメイドさん、お手伝いさんとさん付けに変わっています。だがタイではこの階級差別が厳然と存在し、雇主には絶対の権力があり、雇われ人も服従して反発はしません。日本人雇主は「庭の草刈やドブ掃除までさせてもよいかしら?」「お使いを頼むと通勤用のバイクに乗ってゆくがガソリン代をどうするか?」「来客があって夜遅くまで働かしたからチップをあげなければ?」と心配します。一方、タイ人の雇主は何でもやらせ、目一杯働かせて従わなければクビにします。もっとも相手もその労働条件が気に入らなければ、数日分の給料は捨てて黙って次の日から仕事に来ないからあいこです。
 では日本人にはメイドは使えないのか? 貴方とメイドの間にタイ人を挟んで間接的に支配する事を考えましょう。貴方がタイ人配偶者を持っていれば絶好、でなければ友人、それも無ければアパートやコンドーの管理人です。つまり、タイ人が雇って貴方のところで働かす形を取るのです。タイ語が出来ない事を隠れ蓑にして、採用から仕事の説明、注意、苦情、そして給与の支払まで一切第三者に任せて全くメイドとは直接接触しない事です。ホテルにはルームメイドやハウスキーパーがいて、何か注文があればフロントを呼んでさせるのと同じです。
 トラブルを避ける具体的な例をあげれば、メイドには家電製品があっても使わせない事です。どんなに努力して教えても絶対その通りには使用せず、機械を壊したり洗濯機で洗濯物をボロボロにするのが落ちです。盥(たらい)やほうきの方が安心で、メイドにとってもその方が煩く言われるよりましで、労力は厭いません。もし始めからメイドを使うのなら家電製品など揃えるのは止めましょう。高級洗濯機にウン万バーツを払っても部屋の隅に座って洗濯するだけで、お使いも草刈も出来ませんから無駄な出費です。
 大昔、北部タイの支配者はタイとビルマと目まぐるしく変わりました。近代では周辺諸国が皆、欧州の大国に植民地化された中でタイは切り抜けました。第二次大戦でタイは旧日本軍のビルマ・インド作戦に後方基地を提供して、その報復にチェンマイは何度か英軍機の爆撃を受けましたが、戦争が終わってみればタイは連合軍側で勝者でした。タイ人はしたたか者ですから、メイド問題に限らず、単細胞の日本人が主人になるのは難しい事であるのを忘れてはなりません。


(115号掲載)

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どうしてこうなる?

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2008.03.20 Thursday

 

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 ロングステイとなると、いろいろなタイでの決まり事に対面する事になります。賃借り住居の契約、タイ運転免許証への切り替えや取得くらいなら何とか自力でも出来るでしょうが、不動産や自家用車の購入、ましてやタイ人との婚姻などとなると、これはもうその道の専門家や弁護士のお世話にならないと如何にもなりません。殆ど全ての手続きや遣り取りはタイ語の世界で、それが外国人でなく地元のタイ人の場合でも理解出来ない「どうしてこうなるの?」という疑問が沢山あり、その答えはケース・バイ・ケースで一定ではありません。だから「Aさんは何処で如何であったから私も」などの前例は通らないばかりか、甚だしい場合は窓口に並んだ係によって扱いが変わる事さえあります。そのため、特に外国人にとっては、タイの法律や規則は無茶苦茶だという苦情や批判が横行する訳です。       
 タイにも一応先進国並みの基本的な決まりはあるのですが、それらを施行実施する段階に大きな欠点、ギャップがあります。日本などでは国会、閣議などで決まった事は、早くて6ヶ月以上か1ヵ年くらい後の来年4月(新年度)からとか、事によってはそれから年度毎に段階的に実施とされて、その時期に至るまでの間、それに関係する施行規則や実施要領などが整備されます。ですから実行に向けて十分な時間と統一された解釈や手続きの準備がなされ、北は北海道から南は沖縄までどの窓口に行っても同じ対応で、簡単に覆ったり曲がったりする事はありません。
 一方タイでは雲の上の高い所で決まった事がすぐ来月からとか、極端な場合は来週月曜日から実施などというのも珍しくないのです。ですから大まかで抽象的な決まりが生のまま天下って、庶民と接触する段階の役人達はどのように実行してよいのか戸惑って不統一な解釈や間違った適用が生まれてしまうのです。こんな有様ですから、タイでは実施してから不具合や批判が多く出て2、3ヶ月で廃止になったり、実行されないまま棚上げされて忘れられてしまうようなものもあります。その一つの例が、数年前に始まったロングステイヤーが滞在90日目毎にイミグレーションに住所確認登録をする決まりです。「何で今更こんな事を?」と言われますが、実は入国管理法が出来た始めの頃からあった決まりが棚上げされていて、それが国際的テロの危機感などから励行されるようになったのです。
 日本の公務員達は与えられた決まり事はよく勉強しますが、反対にタイの役人達は安い給与の穴埋めの小遣い稼ぎに一生懸命でその暇はありません。笑い話にもなりませんが、交通警察官の6割が道交法をよく知らないで取り締まりに当たっていると言われます。街角で交通違反の反則金?を請求された日本人が、自分の正当性を主張して事件を本署に持ち込むケースが良くあります。しかし時間と手間を掛けた挙句、結局、訳の判らないタイ式論理に言い負かされ反則金の数倍の罰金を取られるのが落ちです。
 タイでトラブル無く暮らすためには,日本と違う習慣や決まり事に違反しないよう気を付けるのは勿論ですが、過剰な正義感や論理を主張するよりも、柔軟な妥協を考える方が得策ではないでしょうか? 




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見栄(みえ)

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2008.03.20 Thursday

 

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 ナイトバザールや歩行者天国に行くと、たった1メートル四方ぐらいのスペースにアッと足を止めるほど商品を上手にディスプレーしているのに出会います。タイ人は商品のディスプレーばかりでなく、自分自身をアピールする事が積極的で先天的にそのタレント(才能)を持ち合わせているようです。
 それと正反対なのが日本人で、昔そのような事をするのははしたないと言われていたためか、自分をアピールする事に非常に消極的で上手でない人が多いようです。そのために人も国もグローバルな舞台では大分損をしています。
 一方、タイ人はその気性が強過ぎて実質を伴わない「見栄っ張り」になって、いろいろなトラブルを引き起します。普段はバーゲンのドレスを199Bで買う主婦が女友達同士で外出すると、ご亭主がビックリするようなブランド品を買って来たり、子供達に有名ベーカリーのケーキをお土産にして大喜びさせたりします。まあこんな女同士の見えの張り合いなら苦笑いでも済ませられますが、誰かが家を新築したり車を買ったりする、では私も負けずにとなると事は重大になって来ます。
 この傾向を早くも憂慮された現国王が、「セルフ・サフィシエンシー」(身の丈に合った生活を)と事ある毎に諭されるのですが、陛下のお言葉には何でも直ちに従う国民もこの件だけはなかなか守れないのだから、彼等の見栄っ張りによる浪費癖は実に根強いものと思われます。
 この結果として統計によれば、タイ国民は平均消費10に対して収入は7くらい、1世帯平均十数万バーツの負債が常にあると言われています。この自転車操業の辻褄を合わせるために、タイの社会では各種の闇取引、不正行為、賄賂などなどが日常的です。また、微笑の国と言われながら殺人や傷害事件が多発する蔭には、タイ人の切れ易い性格の外に、「負け犬にされたくない」という強烈な見栄から凶行に至るケースも多いようです。だから日本人特有の理詰めや正義感から彼等の徹底的に追い詰めて面子を踏みにじるような言動は、非常に危険な事態を招く原因になるので留意する必要があります。
 では、見栄っ張りはタイ人のみかと言うとそうとも言えません。母国で何か精神的あるいは経済的なコンプレックスを背負ってしまい、それを癒しにチェンマイ辺りでロングステイを始めた日本人の中には、その反動で昔の友人知人たちの鼻をあかそうと豪奢な生活を見せびらかそうとする人がいます。まあ不必要なほどの邸宅を建てたり浪費的な暮らしをしてもそれで経済的に破綻しなければ、タイ政府が必死に求めているロングステイヤーからの貿易外収入にプラスするから良いでしょう。しかし中には自分のステイタスを充分に理解しているつもりだったのに、ウッカリ「日本人は偉い、お金持ち」の甘言に乗せられてその気になり、途中それに気付いても見栄が邪魔して開き直る勇気も無く、遂には性悪な人々の食い物にされる人も少なくありません。こうなると昔ビルマに侵攻した旧日本軍と同じく、骨と皮になって白骨街道を彷徨う事になるから痛ましい結末です。
 いずれにしても、見栄という虚構の世界は必ず崩壊する日が来て、そのつけは重大である事を忘れてはなりませんね。


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(113号掲載)

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バス交通

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2008.03.19 Wednesday

 

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 タイでは小学生でもバイクに乗る程の車社会で公共大量輸送機関はバスしか無いから、バイクや車を持てないロングステイヤーにとっては非常に不便である。チェンマイには小型トラック改造のソーンテーオと呼ばれる乗合バスと路線バスがあり、その他の地方都市でも同じ仕様のものがある。これらは1台1台がオーナー・ドライヴァーで、同業組合を結成して運行しているのが普通。数年前から発足したチェンマイの市営バスもソーンテーオ組合の力に勝てず協同運航のような妥協策を取っている。だから公営バスとして発達できるか??である。
 一応、公営バスと言われているものには、地方陸運公社の全国の市町村間を結ぶ長距離バス網と、バンコック市内と周辺郊外を走るバンコック大量輸送公社(BMTA)のバスがある。だが、バス事業に限らず、タイ政府系公社の職員はその能力に欠けるのか、公共に奉仕する精神が無いのか、実際の現場の仕事は全て民間業者に委託してそのカスリで私腹を肥やす事しかしない。長距離バスは統一されたカラーに塗装はされているが、公社の所有車を公社の乗務員が運行しているのは約3分の1で残り多数は民間業者である。その識別は車体に大きく書かれた○○−XXの数字だけで素人には判らない。契約業者達はチェンマイのソーンテーオと同じく組合を作り交通大臣と直接交渉出来る実力があるから、運賃設定から全て公社の行政指導などは馬耳東風、旅客サービスどころか安全運行なども無視して走るので大事故が絶えない危険な乗り物である。
 BMTAの場合は更に常識を超えたあっと驚く実状である。運行しているバスの3分の2は個人の所有で、それがフリーランスの運転手に賃貸しされて売上の歩合が支払われるサムロー(人力車)やタクシーと同様な仕組なのである。だから運転手は売上だけが目的で車両の整備や安全運転には無関心、勤務状況を監視される事も無いから無責任で勝手放題。稼ぎの無い時は木陰に駐車して昼寝、ラッシュアワーには暴走して他のバスを押し退けて割り込んで客を拾い、道路の真中でも平気で停車して乗降させ安全の確認もせず発進したりする。だから人命かかわる事故が絶えないのである。もちろん、バスの所有者はレンタル料が目的で運転手の素質経歴などには関心が無い。日雇いの亭主がハンドルを握り、車掌は女房か子供と言う一家総出で運行しているケースは珍しくない。
 タイの鉄道は数十年前に発達が止まり車両も運行も博物館行き一歩手前の状態で、バスが唯一の庶民の足である。このような考えられないギャップを見ると、日本の公共大量輸送機関の素晴らしさが今更ながら感謝される一方、バスに限らずタイの交通行政の欠陥は絶望的であるのが理解される。それを国際的にさらけ出したのがスワンナプーム新バンコック国際空港で、開港始めから欠陥空港で1年になる今もあまり改善が見られないのは皆さん既に利用されてご存じの通りである。




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(112号掲載)

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お天気

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.12.07 Friday

 

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 今回のギャップは単純明解、日本とタイではお天気が全く違います。
 それにしても日本のお天気は複雑多様で、今日雨が降るか降らないか? 傘を持って出ようか? 毎日心配しないといけません。お昼頃になって雨が上がり、うっかり傘を置き忘れてお母さんに叱られるのは子供ばかりではありませんし、帰宅時間に雨になり、ちょっと雨宿りが午前様になって家庭争議なったりもします。
 タイは最南部地域以外、大体11月から次の年の5月までは乾季で雨はまず降らず、6月から10月が雨季になります。知らない人は半年も雨季ではとビックリしますが、日本の梅雨のようにシトシトピッチャンと何日も降るのではなく、夕立のような強い大粒の雨が日に一度か二度あるのが普通で、一日中降る日は半年で合計10日も無いようです。ですから徒歩やバイクの人以外は雨具が無くても短時間の雨宿りで済ませられない事はありません。雨と雨との間は乾季のようなカンカン照りでなく、直射日光の無い高曇りが多いので気温も35度を超える事は少なく、むしろ過し易い気候です。
「○○地方南東の風○○m」――」と始まるのが日本の天気情報の定形ですが、タイでは新聞やTVのお天気欄には風の情報が全く示されません。もちろん気象庁や測候所では観測して記録はしていますが、日本と違って常に風が吹く気象状況が無いためでしょう。冬になると何処にもある「××おろし」などと言う空っ風もありません。
 そして日本列島が毎年夏から秋にかけて悩まされる台風が無いのです。ご存知の通り、台風はマリアナ諸島やフィリピンの東海上辺りで発生して西から北の方向に北上しますから、これが真西に進んでもヴェトナム中部から中国南部の海岸に上陸します。台風は一旦上陸すると急速に勢力が衰えますから、ヴェトナム、カンボジア、ラオスなどの陸地を通ってタイ東北部に入る時、あるいは中国南部からタイ北部との国境線の北側を通る時には熱帯低気圧になり殆ど強い雨のみが残り、心配されるのは洪水だけとなります。たった一つの例外は、1989年11月にインドシナ半島とマレー半島の間の海上で発生し、シャム湾を横断して南部チュンポーン県を通ってアンダマン海に抜けた台風ゲイがあり、6百人近い死者行方不明者と大きな損害を出しました。
 台風が無い代わりに局地的な突風がよく起こります。これは地表が熱せられて激しい空気の対流から起こるもので,強さは台風並で雨や時には大粒の雹を伴いますが、規模は半径数キロ以内です。しかし農村部ではトタン屋根が飛ばされ立ち木や農作物に被害があり、市街地では屋上や道路傍の大型広告看板が倒壊して死傷者が出ることがあります。
 タイの大部分は広い平野地なので昼夜の気温差が日本よりずっと大きい大陸性気候です。皮肉な事にチェンマイを中心とする北部はタイで最も暑く最も寒い地域で、冬場の最低最高気温の差は20度以上になりますから風邪に注意です。



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(111号掲載)

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ニワトリ(鶏)

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.12.06 Thursday

 

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 日本ではニワトリ(鶏)は飛べない鳥の代表だが、タイの農家が自家用で放し飼いする鶏は大きな羽音で高度2m距離10mくらいは楽にひと飛びするからビックリする。小屋など無しで、家の梁や高い木の上で眠る。
 数年前の鳥インフルエンザ事件後鶏は原則放し飼い禁止で、以前の養鶏場は屋根と囲いだけが多かったが、今は伝染や野鳥からの感染を防ぐため、開口部に網を張り完全密閉し換気扇付きになっている。gap-110a鳥インフルエンザは懸命の防疫対策で現在は散発的にまで押さえ込んだが、近隣諸国では未だ相当の危険がある。ウィールスは70度以上の熱で死ぬから、充分調理すれば食べても心配ないが、鳥と直接の触れ合うと人に感染し致命的な肺炎を起こすから、今でも注意が必要である。養鶏で思い出すのがブロイラーだが、タイでは過密ではあっても割と自由に動けるスペースをとってある。産卵用も採卵のために斜面のある金属棚で飼われるが、それ程拘束されてはいない。
 他の東南アジアの国と同じく闘鶏も盛んで、屋根を葺き円形の板かブリキの丸い囲いのリングを作った闘鶏場が各地にある。闘鶏の鳥は軍鶏(しゃも)系で大きく美しく、丸い釣鐘形の竹籠に一羽づつ飼われて、飼い主は毎日手入れやトレーニングを怠らない。ファイトには足首に尖った爪を着けるが、ある国のように鋭い刃物を付けて血を流すような残酷な戦いでなく、優勢勝ち判定で勝負が決まる。どうして闘鶏に人気があるかと言うと、違法だがギャンブルの楽しみがあるからで、勝ち鳥には賞金もあり、チャンピオンともなれば一羽数千バーツの値段が付くから、趣味や副業を超えて闘鶏に取り組むプロも多い。
 タイの鶏料理の代表にガイ・ヤーン(やきとり)がある。小さな串刺しの日本式と違って、手羽やドラムに分解して特製のタレに浸けて焼くBBQで、北部タイでは小ぶりの鳥の腹にハーブを詰めて丸焼きにする。だが極め付きは何と言っても元祖のイサーン(東北地方)式で、鳥一羽を半割りし広げて細く薄く削った竹に挟みタレに浸して大きな火床で焼く。焼き上げて山積みした中からお客が選んだ物をチョッとあぶり直し、鉈のような包丁でぶった切り、甘辛のナムチム(漬け汁)で食べる。近年大手鶏加工会社が黄色の鶏のマークで売るガイヤーンがあるが、これは赤外線グリルで焼いたタイ風ロースト・チキンで焼き鳥ではない。
 タイに来て間も無くの人は、「あっ、ケンタッキーがある」と飛び込んで、日本の味ではないと失望する。眼鏡を掛けた白髪の小父さん、「カーネル・サンダースの秘伝の味」の歌い文句は昔の事で、グローバルに展開して競合も激しくなってからは進出先のお客の口に味を合わせているから、これは我慢しなければならない。フライド・チキンは手掴みで頬張るカジュアルさが良いのだが、タイのKFCではお皿にナイフとフォークが付いて来て、タイ人はそれを使って慎ましやかに食べるからお笑いである。もう一つのビックリは、KFCばかりでなくタイのファースト・フード店は食べ散らかしてそのまま帰る習慣で、これはタイ人の性格にピタリ迎合している。 もっともウェイトレスの日給は日本のアルバイトの時給と同じくらいだから、経営者はマイペンライ(なんでもない)なのだろう。



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お葬式

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.12.06 Thursday

 

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 タイは多民族国家ですから死に対する考えや習慣がそれぞれ違いますが、最も大多数を占める仏教徒は、突然の不慮の死は別として割にクールに死と対応するようです。恐らくタイ仏教の教えによって、生前さしたる悪い事もせずそこそこタンブン(仏様への寄進)を行っていれば、来世で幸福に暮らせると信じているからでしょう。ですからお葬式も余り湿っぽくなく、故人の新しい旅立ちを皆でお見送りするといった感じで、親族があまり悲しむと死者が足を引っ張られて旅立ち難くなると諭されるくらいです。
 仏教の場合お通夜は比較的長く一週間にも及びますが、その家の経済状況でそれ以下の場合もあり、田舎や郊外では殆ど自宅で行い、この間の僧侶や弔問客の食事などは地域の女達が総出で仕事を分担します。お通夜の夜食はカーオトム(おかゆ)が定番ですから、他の慶事の食事にはカーオトムは出さない習慣があります。これに必要なテント、椅子テーブル、食器、鍋釜などは地域のお寺や地区事務所が行事用に持っている一式を貸してくれるので不便はありません。地域としては一種の社交行事ですから、特に男達は飲食しながら故人の話題や世間話で時を過し、不謹慎にもささやかな賭け事までありますが、大体大目に見られます。
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 自宅が市街地でこの様な集まりの場所が無いとか、近隣以外にも多くの会葬者が見込まれる時は、お寺の敷地やサーラー(集会場)を何日か借用します。バンコックなどでは専門の業者が式一切を取り仕切り、このサーラーを10棟くらい持ち常に満席のお寺もありますから、サーラーの名前やナンバーを確かめないと、他家の葬儀に迷い込んだりして戸惑う事があるので要注意です。
 話の順序で後回しになって申し訳ありませんが、日本では皇室とのゆかりや国家のために功績があった民間人の葬儀には皇室から使者が供花などを霊前に届けますが、皇族自身が出向かれる事は殆ど希です。対照的にタイではそのような葬儀の告別式に王族が臨席されるのが日常的頻繁に行われます。タイの王族は自身に関する儀式、仏教の行事、それに王族が主宰あるいは支援されるプロジェクトも数多くあります。現在は国王、王妃がご高齢で皇太子や皇女が手分けしてそれらに出席されますが、その回数と同じくらいにお葬式があり、毎夜放映されるタイTVの王室ニュースで見ると一日に2箇所の日も珍しくありません。国民との距離を最小に保つとの現王族のお思し召しとは言え、これは大変なハードワークで頭が下がります。
 身元不明者や貧困でお棺が買えない人のためにはお寺や慈善団体が用意していますが、それを予め寄付する事はタンブン(善行)のひとつです。仏教の場合は火葬が普通で、葬儀場から火葬場まで僧侶を先頭にお囃子と派手に飾った葬列で移動します。中国系の家では故人があの世で不便しないように住宅、車、その他の愛用品を一緒に燃やします。もちろん小さな燃え易い模型ですが、これを作る専門の商売があり、流行に遅れないため車などはいろいろなカタロクを常に勉強しているそうです。
 点火の開始には花火が用いられますので、時ならぬ音を聞くとそれは誰かが旅立ったのだと判ります。タイではお墓を造らないで、遺灰を川や海に流す散骨が主流なのも日本との大きな違いです。



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ウルトラ音痴

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.12.06 Thursday

 

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 日本人は狭い国土に肩触れ合いながら(タイの人口密度の約3倍)、何時も自分よりも他人の事を気にして暮らしています。それが鬱陶しくてチェンマイにロングステイを始めた方も多いのでは無いでしょうか? 一方、タイ人は自由闊達、自分中心主義で、時には傍若無人過ぎるのではと思われます。
 その現象に一つに音の暴力(?)があります。日本でも戦後の一時期に騒音の世界がありました。家庭にTVが普及する前、街頭に大型TV塔が設置され、プロ野球、プロレス、相撲、ボクシングなど大音響の放映に車道にはみ出すくらい人が集まり、昼間はそれが広告放送を流し、若者達はやっと手に入れたバイクのマフラーをぶった切って雷族などと粋がったものです。しかし今は騒音防止条例が励行され、少し喧しい音を立てるとチクられて警官が注意に来たりするから、安普請のアパートなどではTVやステレオの音ばかりでなく大声の夫婦喧嘩も侭なりません。高級マンションで階上のピアノ練習の音が煩いと、ピアノ殺人事件まであった程です。
 タイでは都市地区も田舎も雨季になると幾分静かになります。特に中北部ではご存知のように11月から翌年の5月頃までは滅多に雨が降りませんから、日本のように前日にテルテル坊主を作る必要も無いので屋外イベントが盛んに行われるのです。市街地にしては静かだと思って雨季の間に借りたコンドーが、近くの空き地にビヤ・バーが開店して半年間毎晩睡眠不足になるのが一例です。コンサートやプロモーションなどのステージも大音響を振りまきます。前面が畳一畳分くらいある大型スピーカーを2階3階建てにして、フルパワーのアンプでやるから堪ったものではありません。
 田舎では乾季は農作業が比較的暇ですから、この時期に家の新築祝、結婚式、その他タンブン(仏教の寄進)と称する訳のよく判らない大宴会などが次々と挙行されます。大人数だから自宅の敷地では間に合いませんので、隣接する空き地から道路にまではみ出してテントや椅子テーブルを整え、都会のイベントに負けないステージを作り、ルークトゥン(タイ版演歌)やカラオケが普段は静かな夜空を明け方まで振動させます。近くではとても寝られたもんではありませんが対症療法があります。招待状なんか無くても、あり合わせの封筒に20バーツ(最低限度額)のお札を入れてご祝儀と主催者に差出せば、これが一種の会費、あるいは参加料になりますから、腹一杯食べ酔っ払うまで飲んで直ぐ帰宅パタンキューで朝まで安眠出来ます。
 乾季雨季を問わず住居選定に要注意なのは、タイ人、特に若者の集まるアパートやその近くです。ワンルームの窓もドアも開けっ放しで、フルボリュームのロックやカラオケで一晩中酒を飲むのが彼らの楽しみだからです。
 タイ人が大音響を好み自分勝手なのは生まれつきとしても、他人の騒音にも平気で文句も取り締まりの無いのは不思議です。彼らはウルトラ音痴なのでしょうね。



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道路

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.12.06 Thursday

 

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 タイで道路に関するギャップ(段差)を話題にしたら、何冊かの本が書けるのでは?
先ずは歩く道。日本人は駅から歩いて10分と言えば「わりと近いな」、徒歩5分なら「直ぐそこ」と歩くけれど、タイ人はたった200mぐらいでもバイクに乗り、お年寄りだと散歩以外はトクトクかサムローだ。だから歩道なんて関心が無いのか市街地では酷いもんである。
 先日、日本人会事務所でお会いしたロングステイ下見のご夫婦は、「足が少し不自由なので、車椅子を試したら全然駄目でした」とおっしゃった。介護者が付き添っても難しいから、一人で車椅子なんてとても不可能なのである。近頃新築の建物はそれ自体、一応車椅子に対応してはいるが、そこに達するまでの道路は歩道の無い所も多く、あっても狭くて障害物や穴ぼこだらけで段差もあり、健常者でも危険だ。皮肉な事に、被害に遭うのはファラン(外国人)の中高年と決まっている。また、歩行者優先のルールや習慣はタイには存在しない。
 では、自動車道はどうだろうか? 観光の方を車でご案内すると、「タイの道路はなかなか立派ですね」とおっしゃるが、実状はスーパー・ハイウエイどころかスイサイド(自殺)・ハイウエイなのである。通行料を取らないから我慢するしかないが、主要交差点の立体化はノロノロと進行中、平面Uターンと取り付け道路からの出入口は数知れず、そこを百キロ以前後でぶっ飛ばすのだから危険は一杯である。ハイウエイに限らず、なんでタイ人は仕事をさせればダラダラなのに、バイクや車を持たせると交通法規も運転基本も知らないで暴走するのか? 
 それに対してタイ道路の構造は全くスピード運転に適合するように作られていない。「急カーブ」の標識のある所でも、路面のカーブ内側への傾斜(カント)やスリップ防止のグルービングは無い。少し昔はカーブの外側にポツポツと黒白の杭があるだけで、最近やっとガードレールやコンクリの擁壁が出来たがショックを吸収する仕組みは無いから、ガードが破れたり、壁を越えて外側へ転落の危険がある。この頃、乗用車は燃費節約で小さくなる傾向だが、トラックやバスは大型化が進み、超スロー運転しない限り自分の車線内でカーブが切れない曲がり角が多数あるのに相当なスピードで運行する。だから上下一車線ずつの見通しの悪いカーブでは気を付けないと正面衝突の怖れがある。
 日本では砂利ダンプが問題児であったが、タイでは路線バス、特に地方都市を結ぶ長距離路線バスやツアー・バスの暴走が目立ち、二桁の死傷者の出る事故は日常茶飯事である。日本の1.4倍の広い国土のタイでは鉄道は数十年前から発達が止まり、飛行機の運航は限度があり、それに代わって発達した長距離バスは庶民の足として最も利用されているが、地獄への最も便利な近道でもあるから、利用する時はその覚悟が必要である。運転のテクニックに事故の巻き込まれないように教える防衛運転と言うのがある。このコラムでいつも言うように、タイでは自衛して生活する習慣が欠かせない。
 


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(107号掲載)

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