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友人の家を訪ねて (190号)

カテゴリー: 家と人と暮らし | 2011.03.10 Thursday

 

これだけは手放さないというお気に入りの2枚とスティ 

スティ・ウアシリフォンリットさん アーティスト

ランプーン市内在住

木造2階建て住宅

 

 インテリア雑誌を何気なく眺めていると、素敵なタイ式家屋のこげ茶の壁に見覚えのある絵がかかっていた。それはチェンマイに住んで以来の知り合いで大好きなアーティスト、スティの作品だった。そして、それは私の一番のお気に入りでもあった。数ページにわたって紹介されている家は彼のペインティングで溢れている。コレクターが作品を買い占めたのだとばかり思ったが、よく読んでみると彼の自宅らしい。風の便りでチェンマイからランプーンに移り、大きな家に住んでいると聞いていたが久しく連絡を取っていない。雑誌を閉じる前に、早速スティに電話をかけていた。


木々に囲まれたタイ式家屋キッチンのコーヒーテーブルはお気に入りの場所
 待ち合わせ場所のランプーン市内のお寺に現れたスティは相変わらず穏やかな笑顔をたずさえていた。車で10分、家はピン川に面した静かな住宅地にある。到着しても家の探索もそこそこにお互いの近状報告に花が咲く。スティはこの家に住んでからもう3年になるという。「チェンマイの人間関係に疲れてさ、周りにカフェもレストランもないこんな生活が僕には合ってるよ」と冗談交じりに笑う。

 スティの創るアートは、超リアリスティックなペインティングもあれば抽象的なプリントもあり変化に富んでいる。アート同様、家も一つのスタイルにとらわれないところが彼らしい。タウンハウスに住みながら1階にカフェをオープンしたり、大きな倉庫をスタジオ代わりに住んだり、古いアパートを改造したり、いつも個性的な家に住んでいた。今回も全くスタイルが違うが、木枠の古いショーケース、アンティークの器、たくさんの本と雑誌、そういった彼らしさが家中に溢れている。


古い材木を使った味のある柱と天井器コレクション
 雑誌で見たときに彼の家とすぐに気が付かなかったのは、一人には広すぎるという印象からかもしれない。実際訪ねると、予想をはるかに超えていた。高床式の2階建て住宅は、広い敷地に植えられた木々に囲まれ博物館のようにひっそりたたずんでいる。川に面した一角には心地よい東屋もある。一見かなり古く見えるが、実はバンコクで映画監督をしている従兄弟がセカンドハウスにと、古い材木を使って数年前に建てたばかりだという。


次はこのイーゼルが使われていることを祈って次の作品のコラージュ
 週に一度、チェンマイ市内のギャラリーで絵画を教える以外はこの広い家に一人住み、静かに本を読んで、スケッチブックにアイデアを描きとめ、庭に木を植えて過ごすスティ。2階の廊下には絵の具やブラシがあるが、イーゼルは閉じたままキャンバスは置かれていない。隠居生活も良いが、肝心の絵は描いていないのだろうか。「この一年は新しいものを創り出す気分になれなくて。でも、アイデアもいっぱいになってきたからそろそろ始めようかな」それを聞いて安心した。次にここを訪れるときには、昔のようにイーゼルにまだ絵の具の乾かないキャンバスがかかっていることだろう。(野島知)

 


スティの作品は下記で常時展示されています。

Galerie Panisa

住所:189 Mahidon Rd. T.Haiya, A.Muang, Chiang Mai 50100

電話:0-5320-2779

営業時間:月〜土 9:0018:00(要予約)

 

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