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青い目の象 (205号)

カテゴリー: メータマンからCHANG通信(象使い) | 2011.10.25 Tuesday

 

メータマンからCHANG通信
 最近は象使い体験のお客さんが増え、スタッフも象使いも休む暇なしだ。象はというと……雨季は食べ物も少なくなり、普通一回り近く痩せると言われているが、今年のエレファントホームの象たちは毎日山へ向かうので大好物のバナナの木や葉などをよく食べているせいか全く痩せる気配がなく皆元気だ。

 象使いのリーダーであるブーンさんが先日またまた可愛い子象をエレファントホームに連れてきた。ブーンさんも最近はお客さんが増えてきているので地方に象を見に行ったりすることは控え、エレファントホームのお手伝いをしていたので、しばらくは新しい象さんは来ないのだと私は勝手に解釈していたので久しぶりの小象が来るという朗報に驚いた。

 ブーンさんが小象をトラックにのせてエレファントホームに連れてきた時、私はチェンマイ市内にいた。「なお、今日から小象がエレファントホームに仲間入りだよ! すぐに帰っておいで!!」電話の様子からブーンさんはかなり興奮状態にあることがわかり、私は少々違和感を覚えた。なぜならば、いつも象をエレファントホームに連れて来るときはブーンさんから私には何の連絡もないのだ。私はいつもブーンさんの弟であるジョー君(エレファントホームのマネージャー)から連絡を受けている。


2.	水浴びも大好き! 全然怖がりません。
 象をエレファントホームに連れて来ることはもはやブーンさんの仕事でもあり、ブローカーという仕事もこなしているので、普段エレファントホームにいるよりも外出をしていることが多いので、ある意味象への愛情というか思い入れを意識的に制限しようと壁を作っているところがあるように感じる。私はそんなブーンさんを見ていて、ブーンさんのような象使いも必要だとは思うが、いつも新鮮な目で象たちを見ていたいと正直思ってしまう。

 そんなブーンさんなのに今までになく興奮状態で私に電話をしてきている。そこで、私はすぐにその小象を見に行くことにした。エレファントホームに着いて、すぐに象舎に行ってみるとそこには多くの人がいた。皆で小象を指さしながらカレン語で何やら話している。私はカレン語は少ししかわからないのだが、「めでたい」とか「幸せ」とか言っている。 


3.	まつ毛が長くて青い瞳が映りません…
 その小象に対面した時、私は正直何の感情も抱かなかったのだ。とても痩せっぽちで片耳もちぎれていて、いつもエレファントホームにやってくるような母親のいない孤象と変わらないと思ったのだ。私には他の象と何が違うのかわからなかった。無反応の私を見たブーンさんはふぅーっとため息をつき、「なおは何もわかっていない。何年象と一緒にいるんだよ」と言ってきた。ブーンさんは本当に物事をはっきり言う人だ。穏やかで優しい弟のジョー君とは正反対の性格である。そう言えば、エレファントホームに旅行で同僚と遊びに来ていた時もブーンさんのその体育会系ぶりは発揮されていたなあと思い出される。それは今でも健在なのだが彼は本当に厳しい人なのだ。

「あの目を見てみろ」とブーンさんに言われ、よく見てみると、私の知っている象たちの茶色の瞳ではなく、青いではないか。透き通った青い目をしている。はじめて見たので違和感はあったがとても美しい。「この象はエレファントホームでずっと育てていこう。きっと幸運が訪れるはずだから」とブーンさんはとても優しい眼差しでその小象を見ながらつぶやいた。 

 エレファントホームにほぼ毎日お客さんが訪れ始めたのはこの頃からだろうか。「ヌン(一番)」と名付けられ、まだ2歳なのに皆と一緒に立派に仕事をこなしている。エレファントホームにいるわんぱく象とは違い、おとなしく優しくおっとりしている性格で癒し系のヌンは毎日よく食べ、今はプクプクしていて可愛らしい。今はすっかり象使いたちのアイドルでお客さんたちからもたくさんの愛情をうけてすくすくと育っている。

(文・写真 by なお)
エレファントホームのお問い合わせ:elephanthome@hotmail.co.jp (日本語)

 

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