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ノンワーンとパッブン (229号) Mahout Diary

カテゴリー: メータマンからCHANG通信(象使い) | 2012.10.25 Thursday

 

メイン(パッブン(左)とノンワーン(右)
 エレファントホームにいる象の中で、私が一番思いを寄せているのが「パッブン」という雌象だ。エレファントホームの立ち上げ当時からいる一番の古株象だ。
 立ち上げ時は象使いがいなかったため、私がパッブンのお世話をしていた。象についての知識が深まったのも、パッブンがいたからだと私は思っている。パッブンを通してエレファントホームの象使いリーダーであるブーンさんからいろいろな事を教えてもらった。初めてパッブンに会った時からもう5年以上にもなるが、現在9歳のパッブンは相変わらず食いしん坊なおてんば娘といった感じで、やんちゃぶりが凄まじい。
 そんなパッブンが私は可愛くて仕方ないのだが、実は象使いからもお客様からもあまり人気がない。象使いの言うことをほとんど聞かないからだ。山へ行ってもバナナの木を見つけては道をはずれ、上に乗っているお客様のことなど考えずに、頭を崖の方に向け鼻を伸ばし何が何でも狙った食べ物を取ろうとする。上に乗っているお客様からしたら落ちるかと気が気じゃないのだ。実際に落ちたお客様はいないが、お客様からしたらもっと穏やかな象とゆっくりトレッキングを楽しみたいだろう。 

ノンワーンとティの信頼関係はエレファントホームナンバーワン!
 エレファントホームで、日本人に一番人気の象は「ノンワーン」だ。パッブンの次にやってきた象なので、エレファントホームの象の中でも古株である。雌象でまだ8歳だが、人懐っこい性格でお客様に甘えるので、初めてノンワーンと接した人たちは可愛くて仕方ないらしい。また、象使いに忠実というのがパッブンと違う一番大きな点だ。食べ物しか興味がないパッブンには素通りで「ノンワーン!!」と可愛がるお客様がとても多いのが現実だ。それを見るたびに私は複雑な気持ちになるが、ノンワーンの愛想の良さは私も見習いたいくらいだ。
 ノンワーンの象使い「ティ」もエレファントホームの中では古株で、エレファントホームの立ち上げ後、まもなくしてノンワーンとともにやってきた。約5年間、毎日ノンワーンにとめどない愛情を注いでいる。ノンワーンとティのコンビには癒されるとお客様から大人気だ。
 ノンワーンとパッブンは大の仲良しである。象舎の中でノンワーンを放し飼いにすると、パッブンの元へとまっしぐらだ。鼻を互いの口元へ持っていったり、絡ませたりしていつまででも遊ぶのだ。象使い体験でお客様を乗せているときも、ノンワーンとパッブンはくっついていることが多い。とにかく仲良しの2頭だ。

いつでもどこでも一緒にいるパッブンとノンワーン
 先日、パッブンとノンワーンと散歩に行った時のこと。象は怖がりな動物なので、エレファントホームの敷地内を出たら、象使いたちは最大の注意を払わなければならない。バイクや車はもちろんのこと、犬やヒヨコなども象は怖がる。観光地であるメータマン村には水牛がいて、観光客が牛車乗りを楽しめるスポットがあるのだが、その日は夕方だったし、お客様がいなくて私たちも油断していた。
牛車が突然視界に入ってきたのであろう、突然ノンワーンがその怖さのあまり走り出そうとした。その雰囲気を瞬時に感じとったパッブンは猛ダッシュを始めたのだ。一度走り出すと止まらない象たち。私はパッブンに乗っていたのだが、象使いは同行していなかったため、私は必至でパッブンにしがみつき、「ハウ!(止まれ)」と命令し続けた。それでも止まる気配のないパッブンの上で私はなぜか「ノンワーン、助けて〜!!」と叫んだ。結局フェイントをかけただけで、走らなかったノンワーンははるか後方にいたのだが、パッブンは次第に走る速度をゆるめ始め、なんと最後にはノンワーンのいる後方を頭にして止まったのである。
 最近では、ティが「あの時、僕がノンワーンにパッブンを止まらせろって命令したんだよ」と得意げに言ってくる。私のことはもちろんだが、象使いの言うこともなかなか聞かないパッブンをコントロールできるのは、もしかしたら、仲良しなノンワーンだけなのかもしれないと思ってしまう不思議な出来事だった。 

(文・写真 by なお)
http://ameblo.jp/elephanthome
エレファントホームのお問い合わせ:
elephanthome@hotmail.co.jp (日本語)

 

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