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ファランのロングテイヤー‐亟蕕膿誉犬魍いた 84歳のロニー・ラビン

カテゴリー: 今号のピックアップ | 2016.03.14 Monday

 



ロニーがまだ74歳の頃、
彼女はカリフォルニア州、
ロスアンジェルスのアパートに猫6匹と暮していた。
アメリカで74歳の女性が一人暮しをするには年金収入だけではきつい。
家賃、車の税金と保険、自分と猫の食費、
医療費を払うと、あとは何も残らない。
毎日の生活は同じことの繰り返しだし、
物事に感動することも滅多になかった。
このまま年をとっていくのかと思うと心が重かった。
どうすれば意味のある引退生活ができるのか?
これといった考えも浮かばなかった。
何か冒険がしたかったし、何かに一生懸命になりたかった。

そんな頃、従兄弟夫婦が家財道具すべてを売り払い、
19歳の娘を残して遠くのチェンマイに移り住んだ話を聞いた。
2005年の2月にチェンマイを下見に来た。
オーキッドホテルに宿を取って、
2週間でチェンマイで暮せるか否かを決めるのが目的。
まずはタイ人の優しさの心を打たれた。
ロニーがホテルの前の横断歩道を渡ろうとすると
若い人が手を取って沿うように一緒に渡ってくれる、
アメリカではありえない事た。

乗り合いバスやタクシーは安いしすぐ来るので、
車なしでも便利な生活ができそうだ。
ネットと口コミを頼りに方々のコンドーを見て回った。
自分の足で一軒ずつ部屋の中を見て、値段、広さ、環境などを較べて、
チェンマイで生活していかれる自信がついた。

次は一番気にかかっていた医療機関に行ってみると、
最新技術を取り入れた病院がいくつかあるし、
ドクターや看護婦は英語をしゃべってくれる。
友達になれそうなファランにチェンマイの住み心地を聞いてみると、
「ここは引退するにはいい所ですよ」
「すぐいい友達ができますよ」
「昔からアジアに散らばるファランが住み着いた所なんですよ」
という答えがあった。
すぐにロスの家を引き払ってチェンマイに来る決心がついた。

2005年5月、大きなスーツケースを下げて、
ロニーはチェンマイに骨を埋めるつもりで来た。
下見の時は毎日忙しかったのに、
コンドーが決まり家財道具がそろうと、
チェンマイで何をして暮らしたらいいのかわからずに困った。
行動力があるロニーは早速「友達つくり活動」を始めた。
それは、具体的にはこんな活動だ。

ボランティア団体に入り恵まれない子供の援助、
ファラン女性のランチ交遊会、
YMCAでタイ語の勉強、
絵の腕が落ちないようにアートスタジオに通いデッサン、
自分にあった読書会を探しメンバーになる、
盲目の人に英語で音読する奉仕活動、などなど…。

ロニーが赤ちゃんだった頃、
お母さんは「この子は誰にでも笑いかけるのですよ」
と人にこぼしていたそうだ。
人見知りをしないし、
誰とでも友達になれるロニーの性格だからこそ、
74歳でチェンマイに一人で来る大冒険ができたのだろう。

今年でチェンマイ暮らしが9年になるが、
同じコンドーにずっと暮している。
エレベーターに乗るたびに赤ちゃんの時と同じような笑顔で
ロニーは誰にでも自己紹介をする。
「こんにちは、私はロニーです、
あなたは何階にすんでいるのですか、
ああ10階なら私はXXさんと友達なんですよ」
こんな風にロニーの「友達つくり活動」は、
9年たった今でも続いている。

文・写真 サミュエルス・圭子

 

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