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ロングステイの光と影(One-Two Chiangmaiより)

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.05.20 Sunday

 

 <突如として観光ビザ取得困難!>

 すでに周知の方が大半で話題になっているであろうが、日本でタイ渡航のための従来の観光ビザ取得が、事実上不可能というくらい困難な状況に陥っている。90日滞在可能な観光ビザのシングルでさえ取得困難であり、それがダブルやトリプルの観光ビザとなると事実上なくなったとさえいえるだろう。チェンマイ・リピーターである方も、予想だにしなかった突然のこの事態に驚くとともに、大いに困り果てている。以前から比べたら、事実上の観光ビザ発給禁止とも思える事態の影響は、予想外に大きな衝撃を与えている。
 これまでのチェンマイ・リピーター滞在者は、パスポートにその出入国の経歴のスタンプがたくさん残っている。となると、はなから観光ビザを諦めざるを得ないようである。となると、残された選択肢は30日間有効のノービザでのタイ入国しかなく、正式なビザなしでやって来る事になる。そして30日の滞在期限が切れそうになったら、チェンライ県のメーサイなどの国境の町に出かけざるを得ない。そこで国境を越えて、形式的にビルマなどの他国に1度出国して即再入国し、再度30日間のノービザ滞在をしなければならない。
 北タイでいうと、長期滞在リピーター日本人のメーサイ詣でが急増することになるであろう。となると危惧されるのが、メーサイ詣でを繰り返す不法に近い長期滞在者に、新たに何らかの規制が出てこないかということである。例えばの話であるが、数回連続のメーサイ出入国は禁止するなどの規制である。
 突然厳しくした観光ビザ発給条件であるが、合理的な理由の説明もないばかりか、「観光」如きのビザになぜそのような書類が必要なのか、誰もが理解に苦しむことばかりである。どう考えても、七面倒な書類や証明書の数々の要求は、観光ビザを発給させないための意地悪としか思えないだろう。
 
 <「観光ビザ」を冷静に考えれば!>

「観光ビザ」を文字通り観光目的のビザと考えると、約3ヶ月間もタイ国内を巡って観光する日本人旅行者などいるのであろうか・・・・・・となる。タイへのツアー観光はせいぜい数日間で、若者・学生などのバックパッカー旅行者とて、休暇でのタイ国内旅行はせいぜい1ヶ月余りであろう。
 となると、これまでの観光ビザは、とりわけダブルやトリプル観光ビザは、誤解を恐れずに言うならば「ロングステイ滞在者ビザもどき」となっていたことがわかってくる。ここで言うロングステイとは、タイ政府観光局が定義しているように、30日以上の長期滞在型旅行者のことである。
 そう考えると、観光や旅行には30日間有効のノービザで必要かつ十分であろう。そして、1ヶ月以上のロングステイをするならば、合法的にロングステイビザ(50歳以上で取得可)や年金ビザの発給を受けなさいとなる。何倍もの価値で使える物価の安いタイに来て、お金を節約して使いながら安上がりで長く滞在するような「ケチ」な方、また、アルバイトなどの不法労働で滞在する方、そのような「お金を落とさない」方々は、これからは来ないで下さい。そのようにも受け取れる、今回の厳しいというか、考えようでは当然ともいえる措置である。

 <ロングステイへの影響>

 チェンマイ・ロングステイの人気はいまだに高まる一方で、ロングステイの視察旅行者数は右上がりで伸びているようである。チェンマイ市内の有名な病院やホテル、イミグレーションなどには、日本人案内ガイドに引率された、ロングステイ下見日本人ツアー団体をしばしば見かける。
 これまでは、シングル(90日間滞在可)かダブル(90日+90日)の観光ビザをまず取得して、とりあえず試験的にロングステイ体験をしてみる。それから慣れてかつ気に入ったならば、ロングステイビザなどを取得して本格的ロングステイを試みる。そのようなパターンであった。
 本格的ロングステイになると、自動車やバイク購入やタイ免許取得などには観光ビザでは不可能で、どうしてもロングステイビザや年金ビザが必要となるからである。
 しかし、チェンマイ市内を中心として、在住ないしはリピーター・ロングステイヤーの方々で、実際にロングステイビザや年金ビザを正規に取得している方はどれぐらいの割合であろうか。半分にも満たないどころか、むしろ全体から見ればほんの一部の方々ともいえるのが現実ではなかろうか。
 ロングステイビザを日本で取得するには、煩雑極まりない手続きと、ややこしい各種書類が求められる上に、1人80万バーツ以上の預金が必要となる。夫婦で正しく(?)ロングステイするなら合計160万バーツ必要である。160万バーツといえば480万余りで、これは大多数の方にはやはり大金といえるであろう。
 他方、それなりの額の年金をもらっている60歳以上の方は、比較的簡単な手続で取得できる年金ビザでの長期滞在が可能である。この場合は夫婦で滞在するにも、妻の方は年金受給者の配偶者ということで、お金の問題もなくビザが取得できて長期滞在可能である。
 そうなると、年金受給年齢に達しない方、年金額が少なくて預貯金をプラスする必要のある方、年金のない方の長期滞在は、ロングステイビザでしか長期滞在できないことになる。これまでの観光ビザでの長期滞在の窓口が、事実上閉められてしまったからである。
 
 <ブローカーまがいの斡旋業者が暗躍?>

 ビザの延長やノービザの滞在延長に、近隣国へ1度出入国しなければならない場合がある。もちろん当人がパスポート持参でやるのが当たり前で、他人が当人になりすまして出来るわけがない。
 だが、ついこの前までは、代行斡旋業者にパスポートを預けたら、本人は出入国せずチェンマイにいても、ちゃんとその手続を終えたパスポートを返してもらうことが出来たのである。もちろん100%違法の斡旋である。だが、なぜかそれを行うブローカーまがいの代行斡旋業者にそれ相応の高い料金を払えば、違法で不可能な事が可能になっていたのである。
 今回の事実上の日本での観光ビザ発給停止措置で、高い手数料を要求して、不可能を可能にしてしまうブローカーまがいの斡旋業者が暗躍しないか。あるいは、極めて困難なのを簡単に出来ると甘い言葉で誘い、高い手数料をがっぽり取ってから、やはり困難で駄目であったと手数料を返さず、ペテンにかける斡旋業者が暗躍しないか。まあ、杞憂に過ぎなければよいのだが、困っている足元を見ての甘い話には疑ってかかる必要があろう。

 <庭付き一戸建ての日本人ご夫婦?> 

 東京のある旅行雑誌社から、チェンマイロングステイ取材に関する電話での問い合わせがあった。その内容であるが、チェンマイで庭付き一戸建ての広い家に住んでいる、日本人ご夫婦ロングステイヤーを紹介してもらいたい。そして、チェンマイで信頼できる不動産屋もあわせて紹介してもらいたい。その2点であった。
 まあ、いま日本で話題になっているチェンマイロングステイを、流行に乗り遅れまいと、どうしても取り上げたいようである。日本では高嶺の花の庭付き一戸建てであるが、チェンマイなら信じられないくらい安い価格で購入できたり(実際は不可能だが)、信じられないくらい安い家賃で借りることが出来る。その夢のような実態を、実際にロングステイを行っている日本人夫婦を取り上げて紹介し、読者にセンセーションを巻き起こしたい。そのような「チェンマイ・ロングステイ天国」ありきの取材意図が丸見えである。雑誌社のその電話取材に対して、以下のような趣旨を返答した。

 <返答内容趣旨は!>

 チェンマイで庭付き一戸建ての豪邸を借りる、日本人夫婦のロングステイヤーなどは、いても数組余りであろう。豪邸を借りるなど、よほどお金があり余っているご夫婦であろう。ないしは、当地で暮らす安全性をあまり深刻に考えていないか、あるいは脳天気なご夫婦のどちらかであろう。
 庭付き一戸建ての豪邸に暮らすのは、治安の良い日本と違い、チェンマイではセキュリティを維持するのが大変である。もし、家を2、3日留守にするなら、その間に家に空き巣泥棒に押し入れれて、あらゆるものを盗まれる危険性が大きい。まして、1週間以上も留守にするなら、どうぞ泥棒に入ってくださいと宣伝しているようなものである。というのも、日本人夫婦が住んでいる家となると、周辺に広く知れわたり、泥棒のかっこうの標的になるのは覚悟しておかねばならないであろう。
 次に、実際に豪邸に住んだら掃除が大変なので、住み込みのお手伝いさんを雇わなければ、にっちもさっちもいかないであろう。となると、片言でも日本語(又は英語)の話せるお手伝いさんが必要となる。そのように日本語や英語のできる優秀な人材をお手伝いさんとしてリクルートしたり、かつ付き合うのがこれまた大変であろう。
 下手に安い賃金で住み込みのお手伝いさんを雇うと、家を留守にしている間に泥棒を誘い込み、家財道具など一切合財を運び出して雲隠れ・・・・・・などという場合も大いにある(実際にそのような被害に遭われた日本人に、絶対に信頼できるお手伝いさんを紹介してくれないかと頼まれたことがある)。
 次に単なる一軒家を借りる場合である。これなら別にご夫婦だけでお手伝いさんはいらない。ところが、往々にして家主がバンコクなどの遠隔地や遠い郊外に居住している場合が多い。すると、家で雨漏りや電気系統などで不備が出てきた場合、いちいち家主に連絡して、事情をタイ語で詳しく説明して後に了解を得てからでないと、応急の修理修繕さえもままならぬ不都合と不便さが出てくる。これは案外とあるので大いに難儀する。
 以上のようなことを勘案すると、家賃の安さと憧れから、広い庭付き豪邸や一軒家を安易に借りると、後で思わぬ後悔をすることになる。もちろん、すべてそうなるなどとは言っていないが、可能性として大いにありうるとの警鐘である。

 <現実に即したロングステイ滞在>

 あくまで日本の持ち家が基盤で、年に何回か日本に戻られるロングステイご夫婦は、当地の現実に即したロングステイ滞在をなさっている。つまり、滞在中やとりわけ一時ないしは長期の留守の場合のセキュリティを第一に考えると、セキュリティのしっかりしたコンドミニアムを、1年契約などで借りる形に落ち着くのである。
 管理がしっかりしたコンドミニアムなら、部屋に不備が出ても管理人がいるので、わりと迅速に修理修繕してくれる便利さがある。これが、日本ではないチェンマイの、偽らざる実情を踏まえた賢いロングステイと言えよう。
 一方、新参ロングステイヤーを相手に、一儲けを目論んでいる古参・新参の懲りない日本人が徘徊している。彼らは、暴利が大きい一戸建ての家を、舌先三寸の甘言を弄して、高い家賃や権利金で貸したり、べらぼうな値段で買わそうとするであろう。もっとも、新参日本人は日本の物価の物差しで考えてしまいがちなので、暴利価格でも日本に比べたら安いと、舞い上がってしまうのが常である。あとで現地価格を知って愕然とする場合も、往々にしてあるようだ。
 繰り返し忠告しておくが、外国人が自分名義では土地や家は絶対に購入できないことを、頭にしっかり入れておきたいものである。いまだに、土地付家を外国人個人が購入できるような幻想を与える、巧妙な宣伝広告が後を絶たないからである。定かではないが、30年の定期借地権付などというのもあるらしいが、それもあくまで借地権なので途中で死亡したらどうなるのか疑問であろう。
 次に信頼できる不動産屋についてであるが、良くない噂も広がっている有名な不動産屋も何軒か耳にしているので、「そのような信頼できる不動産屋は、私は1軒も知りません」と答えておいた。
 付け加えて、ロングステイヤーに最適のコンドミニアムの部屋などは、わけがわからぬシステムの不動産屋を通さなくても、直接自分の足でコンドミニアムをあたってさがすのが簡単で、それがこちらのやり方なのである。もちろん、直接契約時には信頼できるタイ人(これもなかなか難しいが)に同行してもらい、契約内容を詳しく説明してもらう必要があるであろう。
 でも、最近では英語の契約書を用意しているコンドミニアムも増えてきているので、便利にはなってきている。

 <ふざけた電話問い合わせ>

 上記のように懇切丁寧に返答したのであるが、チェンマイロングステイ天国の趣旨に合わないばかりでなく、むしろ逆効果を与える現実話であったらしい。それでも、ロングステイ日本人ご夫婦を紹介してもらいたいと強く要請する。そこで出版社からの正式な取材依頼書を、Faxで送付するように要請した。相手はそれを了解したのであるが、まったく無視して送ってこない。なんともふざけた雑誌社である。
 まあ、お決まりの間違った幻想をふりまく取材先に落ち着いたのであろう。このようなふざけた雑誌社の、でっち上げに近い「チェンマイロングステイ特集」に似たり寄ったりの特集が、この先当分は続くのであろう。
 最後に、あるロングステイ日本人がこのように警鐘を促していた。
「チェンマイで実際に、有意義にかつ安心してロングステイするのに、プラスの情報などは二の次でもいい。速く的確に知らなければならないのは、様々なマイナスの情報である。そのマイナスの情報を知っているのと知らないのとでは、人との出会いや付き合いや、お金の使い方などの生活全般が、大きく違ってくるからね!」

(One-Two Chiangmai 36号掲載)

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