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ロングステイ3年説?!

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.05.20 Sunday

 

<典型的ロングステイヤーは多いのか?>

 ひとくちにロングステイといっても、チェンマイ市内には実に様々な形のロングステイヤーがおられるようです。まず、定年退職や早期退職などで自由の身になり、御夫婦や単身で長期滞在する、典型的ともいえるロングステイヤー。その方々にも、2通りのタイプに分けられるでしょう。1つは、あくまでも日本に住居があり、チェンマイを南国別荘暮らし感覚で長期滞在しているが、年に数回は気候の良い日本で短期間過ごす方々。このタイプの人は、それを可能にする経済的余裕や住環境があるからでしょう。
 もう1つは、日本の生活をたたんで、こちらで曲がりなりにも腰を据えて、本当の長期滞在をなさっている方。このタイプの人は、日本に帰るというか、行く場合は基本的にはなくなるでしょう。なかには、年老いた両親を連れてきて、こちらで一緒に暮らす方も出てきています。
 別にタイ政府の肩を持つわけではありませんが、タイ政府が意図している、歓迎すべきチェンマイ・ロングステイヤーは、前者でしょう。何よりも、豊かな日本人として、それ相応のお金を落としてくれることが前提のロングステイ推進政策であるでしょうから。
 そして最近は、マスコミ等々でチェンマイ・ロングステイ天国なるものに興味関心を示して、いわゆる試験的に短期間のロングステイ体験をなさる方が急増しています。この時に、どのようなロングステイ業者を選ぶかが、その後に大きなプラス・マイナスを与えるので、ぜひとも慎重に時間をかけて検討してもらいたいものです。
 次に、典型的ロングステイ範疇に入らない、リピート短・中期滞在者もかなりの数でおられるようです。1ヶ月からせいぜい長くても3ヶ月滞在しては日本に戻って、お金と時間ができればまたやってくる。この繰り返しです。これは30歳から50歳代の、それも男性の方々がほとんどでしょう。旅行者でもなく、いわゆるロングステイヤーでもなく、ちょうどその中間ぐらいのスタンスといえます。このような範疇の方々は、ロングステイビザや年金ビザなどは無縁で、ノービザや観光ビザで事足りているでしょう。これらの方々は、新参のロングステイヤーなど足元にも及ばないほど、いろんな方面でかなりの情報通でもあります。
 そして、チェンマイにはロングステイでない定住日本人もかなりの数にのぼってきています。タイ人配偶者を得て定住している人。いわゆるミヤノーイ(妾さん)と暮らしている定住者。日本語教師やホテル・ツアー会社などに正式、あるいは闇バイトとして一定の仕事を得ながら定住している人。こちらの日本企業に派遣されている日本人、などがあげられます。
 このように考えると、典型的なロングステイヤーは、チェンマイにいる日本人の中ではむしろ少数派ではないでしょうか。そんな気がしないでもありません。その証拠といっては変ですが、TVや雑誌・新聞などのマスコミで紹介される、「チェンマイ日本人ロングステイヤー」の顔ぶれは、ほとんどある十数人の方々と何年間もあまり変わらないようです。そして、取材に値する典型的なロングステイヤーに事欠いて、ロングステイヤー範疇でない定住日本人を、あたかもロングステイヤーの如く紹介せざるを得ない状況です。
 タイで長期滞在のロングステイを試みるのと、骨を埋める覚悟で移住して定住しているのでは、暮らしの次元が大きく異なるのは当然でしょう。後者の定住をしている日本人の中で、ごく一部ですが新参のロングステイヤー相手に、陰に陽にロングステイ・ビジネスを行っている者がいます。
 定住の日本人でも、誤解を恐れずに言わせていただくと、2つのタイプに分けられます。年金を貰っておられる方や、もうしばらくで年金をもらえる方。そして、年金など現在も将来もまったくもらえない方。この差はかなり大きいのではないでしょうか。

 <試されるロングステイ>

 現時点では典型的なロングステイヤーは少なく、その意味では、今後増えるとされるロングステイヤーの先駆者だともいえるでしょう。先駆者ゆえに、苦労も多く、ごく一部ですが、先住ベテラン日本人の甘い話や親切話に、まんまと一杯食わされた苦い経験も少なからずお持ちでしょう。
 言葉も生活習慣も食事も違う、異国でのロングステイ。なるほど、当初は目にするもの耳にするものが、嬉しいカルチャーショックで、物見遊山にどこにでかけても楽しいでしょう。そんなことを話題に、チェンマイの他の日本人と話しても、話題は尽きないほどあるでしょう。
 安くて楽しめるゴルフの話。安くて食べられる美味しいレストランや屋台の話。安くて楽しめる小旅行の話。安く買える食材や日用品、家具や電化製品や土産物。安くて遊べるナイトスポット。安くて良いスパやマッサージなどなど。
 物価高の日本では考えられない、お得な格安情報は枚挙に暇がない。それはそれで結構な限りでしょうが、そんな格安自慢談義を、まさか3年間も得意げに続けてはいられないでしょう。当初は、物珍しさも加わって、美味しいと嬉しく頂けたタイ料理の数々も、タイに長くいる間に、やはり日本料理を食べたいとの里心がついてきます。チェンマイには、それこそ雨後の竹の子のように、日本食のレストランや食堂が林立してきています。しかし、ここかしこと3年間も限られた所を食べ歩くと、ここは所詮タイで、限られた日本食材での限られたメニューしかないことに気付かされます。
 また、3年間もいると、いろいろある狭い日本人村グループに飽きたり、嫌気がさしてたりしてきます。人の噂話に、安さ自慢に、ゴルフ話などと、パターン化した話の繰り返しに陥ってしまう。また、3年もいると、物見遊山に出かける手頃な観光地も、ほぼひと通り終えてしまって、あえて行く所がなくなる。
 こうなると、惰性で退屈なロングステイをおこなっているような、いいようのない嫌悪感に陥ってきます。そこで「石の上にも3年」ではないですが、先の見えないチェンマイ・ロングステイを断念して、日本の生活に戻る再方向転換を考え始めます。考えるだけでなく、実際にそのようなロングステイヤーの方々も、少しずつでありますが、確実に出てきています。ある意味では、一歩先のチェンマイ・ロングステイを暗示しているような気がしないでもありません。
 一応、区切りとして3年と称したまでで、人により3年より短くなれば、多少長くなる場合もあるであろう。だが、外出するのが億劫になり、暇を持て余し、チェンマイの日本人が嫌になる兆しがでてくるようでしたら、ロングステイも黄色信号の点滅なのかもしれません。
「ロングステイ3年説」などとは、チェンマイでロングステイをしている方や、これから行おうと計画をして楽しみにいる方には、冷や水を浴びせるようなタイトルです。このような「3年説」を打開するには、以下のロングステイが最適ではないでしょうか。
 それは、あくまで日本の家を拠点にして、チェンマイを1ヶ月以上留守にしても、セキュリティのしっかりしたコンドミニアムやマンションの一部屋を、経済状態に見合った物件で年間契約で借りておく。そして、日本とこちらの生活を交互にうまく無理なく組み合わせて過ごす。実際に、月5千バーツで、1ヶ月以上留守にしても安心できる、まあまあの貸し部屋はあるのですから。

(61号掲載)

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