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ロングステイよりリピートステイを

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.05.21 Monday

 

 海外ロングステイというと、少なくとも1年以上は海外で暮らす、とのイメージが先行するのが普通。実際に、日本で宣伝されるチェンマイ・ロングステイは、なぜかチェンマイに移り住んで暮らすことを前提としている。
 海外ロングステイ先として世界の都市の中でも上位に入って、随分と人気上昇中のチェンマイでのロングステイ。チェンマイに定住する日本人の立場としては、光栄で嬉しいことに変わりはない。だが、それはそれとして、何もチェンマイに移り住んでまでロングステイする必要があるかどうか、という初歩的疑問もある。
 つまり、何もロングステイに固執する必要などなく、日本とチェンマイを適度な間隔で行き来する、リピートステイという考えもあるということ。そして今後は、チェンマイ・ロングステイよりも、チェンマイ・リピートステイが主流になる可能性が高い。そのような突拍子もない考えになるのには、それなりに理由がある。
 リピートステイとは当然のことながら暮らしの拠点は日本にあり、気に入った時期に数ヶ月くらいチェンマイで過ごすこと。このリピートステイの勧めに関しては、実は以前にもこのコラムで記している。だが、今回再度リピートステイを取り上げるのも、チェンマイの今年の乾季の異常な煙害が、大きくクローズアップされたことにある。
 今年3月のチェンマイの大気汚染はまさに異常そのもの。大気全体が煙ったように白っぽくなり、昼間でも薄曇りの空のようで、太陽光線が弱々しく降り注ぎ、最高気温も上がらないありさま。チェンマイ市内では車の排気ガスと山火事・野焼きの煙で、10ミクロン以下の浮遊微粒塵芥量が安全基準値を突破する毎日。安全基準値の2倍以上を超える日も出てきた。さすがに、これは健康に害を与える有害な浮遊微粒塵芥量。チェンマイ県は、不要不急の外出を控えることや、戸外での運動の禁止、マスクの着用などを呼びかけた。そして、とうとうタイ政府から煙害で緊急災害地域に指定されるという、前代未聞の措置が取られるまでに。そしてこのひどいチェンマイの煙害の様子は、日本のTVにまで放映されたとのこと。
 確かに今年の煙害災害は異常だったが、煙害自体は2月〜4月の時期には毎年ある。その2月〜4月は一滴の雨も降らずカラカラ天気で、排気ガスの粉塵が空気中に舞い、冬枯れの山や野原を焼く煙が絶えず、大気の汚染度は急上昇し、健康にも害を与えるほどになっている。
 誤解を恐れずに言わせてもらえば、健康を守るならば、2月〜4月の時期にはチェンマイには居ないほうがよい。まだ冬の寒さが残る日本に居る(帰国)方が、健康維持には適している。このように述べると、「えっ?」と驚かれる方がおられるだろうが、これは紛れもない事実。チェンマイとて、環境が悪い時期もあれば良い時期もある。とりわけ、11月から1月の3ヶ月間は、温暖な気候で快晴の日々が続いて、1年でもベストシーズンであろう。
 このようなこともあり、何も無理したり我慢したりして、チェンマイ・ロングステイをする必要性もなかろう。チェンマイの天気や空気が良い時にだけステイするという、リピートステイが最も好ましい形態ではなかろうか。
 もちろん、リピートステイでは気が向いたときの滞在で、宿の問題や経済的問題もあろう。が、リピートステイ体験を繰り返すうちに、それなりに解決策が見えてくるであろう。そしてリピートステイを繰り返す中で、中期ないしは長期のロングステイに移行するのが理想的なのかもしれない。
 このようなリピートステイを提唱しても、前回取り上げたような、経済的理由と逃避的理由での年配・老人の単身ロングステイヤーの影の流れは、誰も押しとどめられないだろう。その影の流れは差し置いて、いわゆるロングステイ関連業者が宣伝するロングステイに安易に乗るのではなく、自分達で自主的にリピートステイから始める、という選択肢も考えて欲しいものである。
 先日、広島県からチェンマイにリピートステイにやってこられたご夫婦にお会いした。「田舎に移住したのですが、雪が積もって何も出来ないとわかり、そんな時だけチェンマイに来るようにしています」とのこと。確かに行き帰りの航空運賃は高いのだが、「チェンマイに慣れるに従って要領がわかってきて、滞在中はそんなにお金をかけずに生活できるようになりました」とも語ってくれた。リピートステイヤーは、その都度目的を持って来ているようで、ロングステイヤーには見られないような、イキイキした表情を示す方が多いのが印象的だった。

(97号掲載)

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