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「皿洗い」

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.05.21 Monday

 

ギャギャップ91号 皿洗い 日本で飲食店を開くのは結構大変なんです。地域の保健所の細かい多項目基準に合格しないと営業許可が出ないし、その後もしばしばチェックがあり、違反すれば営業停止もあり得ます。一方タイは誰でも何時でも開業出来、多数の人が食中毒で倒れて病院に担ぎ込まれでもしない限り、保健所と付き合うことも滅多にありません。 日本の基準で皿洗いの規定には、「下洗いと濯ぎと二槽の流しがあり、(確か)摂氏70度以上の熱湯の供給が無ければならない」というのがあります。だがタイでは屋台はもちろん、店頭にオープンキッチンのある大衆食堂などは、土間に洗剤入りと真水の盥(たらい)を二つ置いただけです。汚れた食器を泡立った洗剤の盥にボチャン、数がまとまるとスポンジで洗って、隣の真水の盥でジャブジャブ、一丁上がりで熱湯などは全く無いんですね。
 こんな食堂では、予めテーブルの上に皿や茶碗、スプーンとフォークのセットが置いてあったり、注文を取るウエイトレスが持って来たりします。タイ人は注文が終わると、卓上のナプキン・ペーパーで(トイレット・ペーパーの時もありますね)これらを丹念に拭き清めて料理が来るのを待ちます。その効果はともかく、事情を知っての自衛手段ばかりか一種のテーブルマナーになっているようです。仮にどんな安食堂でも日本でこれをやったら、店に対する侮辱と店長に横っ面を張られ放り出されるでしょう。だがちょっと待って下さいよ。タイでもハイソの宴席、エアコンの利いた高級レストランやホテルのダイニングでこれをやってはいけません。それは普段は屋台や安食堂しか利用しないという、貴方の「貧しいステイタス」がバレてしまうからです。じっと我慢して運を天に任せるしかありませんね。
 ヴェトナム戦争の頃サイゴン(現ホーチミン市)での私の経験ですが、フランス植民地時代からの伝統的な高級ホテルでの事です。テーブルの脇に直立するウエイターに監視?されながら純銀製や高級陶器の食器で緊張気味のランチの後、階上の部屋の窓から運河の風景を見渡していました。赤茶けた水面を大小の船が行き交い、危なっかしい木の桟橋で洗濯するオバサン、水遊びの子供達、若いお母さんが赤ん坊を抱えてシャーッとオシッコさせるのも見えました。そしてふと窓下に目を移したら、濁水のヒタヒタ寄せるコンクリの階段で、さっき我々が使ったらしい食器類を洗っているではありませんか! 同じ東南アジアの国タイでも???
 タイ人に聞くと買い食いや外食直後にお腹が痛くなるのは始終あるそうで、そんな時は安い売薬(ヤー・ター・ナーム・カーオ・ター・カタイビンという白い水薬)を一口二口飲めば、半日くらいで治まると言っています。ファラン(外国人)の腹の虫も、幾度かこのような試練を乗り越えると、彼ら並みに問題無くなるようです。だから皿洗いくらいでビビる事はさらさらありません。

(読者の皆さんからビックリ!ギャップ体験を募集します。私suga@loxinfo.co.thかChao編集部へどうぞ)

(91号掲載)

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