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ラフ族の遊び(1)もだま

カテゴリー: タイの山岳民族(三輪隆) | 2007.05.21 Monday

 

53号 ラフ族の遊び,發世泯 正月祭りの時期にラフ族の村へ行くと、ラフ族の人たちが村の広場などで遊んでいる。その多くは昔から伝わる素朴で伝統的な遊びである。
 ラフ族でもっともポピュラーな遊びは、もだま遊びである。この遊びは正月に限らず、いつでも老若男女誰でも遊ぶことができるが、特に女性に絶大な人気がある。遊びとはいえ、競技となるとかなり熱くなるのは日本の老人のゲートボールやミニゴルフと同様。いい年をしたおばさんたちまでもが、ときには互いに罵声を浴びせながら、恐ろしく真剣な表情でやっている。
 ルールは、固く乾燥した平べったいもだまの実を数個、地面に立てた状態で横一列に並べ、これを2チームに別れて、足や手を使って、ボーリングの要領で次々にはじき倒していく。もだまを倒す方法にも様々なバリエーションがあり、ゲームの法則にのっとって、クリアーするごとに倒し方のパターンが変わり、次第に難易度が高まっていく。ストレートで投げあてたり、指で弾いたり、足で蹴りあてたり、ケンケンをしていって、片足で立ったまま投げあてたり、くるりとまわって後ろ向きになって投げたりと、様々なテクニックを要求されるのだ。一方のチームが失敗するたびに攻守が交代し、早く規定のパターンと回数のおはじきを倒し終えたチームが勝ち。「借金」というルールもある。シンプルだが、それでいて奥が深い、あなどれない遊びである。
53号 ラフ族の遊び,發世泯 この遊びに使われるもだまの実(Entada Phaseoloides)であるが、ラフ語では「マイシ」、タイ語では「サバー」と呼ばれている。豆科モダマ属に属する蔓性植物で、亜熱帯以南に分布し、日本では屋久島や西表島でも自生している。豆は直径5〜6センチ、莢の長さは1メートルにも達する。さくら寮の向かいの家にももだまの木があるのだが、まるで「ジャックと豆の木」の世界に迷い込んだような錯覚に陥るほどの巨大さである。おはじき遊び用以外にも、アクセサリーや部屋のインテリアなどとして使われるのか、チェンライのドイメーサロンの市場とか、沿道などで莢つきのもだまがときどき売られている。日本にも愛好家、収集家がいるらしい。何を隠そう私ももだまファンである。
 一説には食べられるという噂もあるが、もだまの実には毒性があり、調理法をあやまると命に関わるので、トライする人はくれぐれもご注意あれ。

(53号掲載)

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