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ラフ族の遊び(2)正月祭り編

カテゴリー: タイの山岳民族(三輪隆) | 2007.05.21 Monday

 

54号 ラフ族の遊び∪儀邵廚蝪 ラフ族の正月の遊びにはコマまわし、凧揚げ、竹馬など日本の遊びと共通したものが数多くある。特にコマ回しは若い男たちの独断場で、いわゆる喧嘩ゴマである。相手のコマにぶつけてその回転を止めれば勝ち。パワーと熟練のコントロールが要求される、難易度の高い遊びである。毎年開かれる全国レベルの山岳民族体育大会の正式種目にもなっているほどである。
 正月祭り特有の遊びとしては、ラフ族の間に昔から伝わる「ケポス・バダベ」という遊びがある。布で作った吹流しつきのボール(ケポス)を男女が向かい合って投げあうという優雅で素朴な遊び。その色鮮やかさは、日本の羽つきの羽根や羽子板を思わせる。モン族にも正月に男女が向かい合って鞠投げをする習慣があるが、これらは若い男女が親しくなるきっかけにもなる、一種の「歌垣」の名残である。しかし最近ラフ族の人たちはこのケポス投げをあまりやらなくなってしまったのが寂しい。
54号 ラフ族の遊び∪儀邵廚蝪 こんな山の中で「えっ」と思うような意外な競技もある。なんと棒高跳びだ。竹の棒、竹のバーを使って行われる。棒高跳びの起源はアフリカかヨーロッパあたりのどこかぐらいに思っていたが、なんとラフ族にも昔からあるそうなのだ。テレビでオリンピックでもみてそれを真似てるんじゃないの?、という疑問をもつ人もあるかもしれない。しかし、ラフ族のある男性(40歳)は、少なくとも彼のお父さんの時代からやっていたと証言しているので、独自に発達した可能性も高い。彼のお父さん(65歳)の子供時代、タイでもミャンマーでも、誰一人テレビなど見ていなかっただろうからだ。
「隠岐・海士町の宇受賀命神社の神は、神社の北東200メートルの位置にある岩に隆臨したという。神は降臨後に周囲の竹やぶに入り、竹を支えに棒高跳びのような形で現れると、この地を開いたとされる。」(白石昭臣「竹と隼人と山陰」より)
 というような伝承も残っており、日本では神様からして棒高跳びをやっていたのだ。典型的な竹文化の伝統をもつタイの山地民の間で、こうした竹を使った遊びが発達していても、なんの不思議もない。

(54号掲載)

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