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カレン族の草木染め(1)

カテゴリー: タイの山岳民族(三輪隆) | 2007.05.21 Monday

 

 チェンライ市からメーコック川に沿って30キロほど上ったところに、ケオウワダム村というカレン族の村がある。ここで、村おこしの一環として草木染めの染色、織物作りが行われている。
 ケオウワダム村はスゴウカレン族の村で、住民はクリスチャンである。この村では、今のおばあさん、おじいさんの子供の頃、草木染めが盛んに行われていたが、いつのころからかほとんど廃れてしまったという。それをチェンライの女性の自立を支援するNGOが中心になって復活させ、18年ほど前から再び村の女性グループが草木染めと手織りによる布製品作りをするようになったという。その製品は日本の市民グループなどを通じて販売されている。
 ケオウワダム村では、現在少なくとも5種類の植物と数種類の触媒材を用いて草木染めを行っている。主な使用植物は、マイ・プラドゥー(ビルマカリン)の樹皮、マイ・ファーン(蘇芳)の心材、マリーゴールドの花、バイ・ホーム(琉球藍)の葉、トン・ペーカーまたはマリ・マイと呼ばれる植物(ソリザヤノキ)である。他に媒染剤、定着剤として鉄さび(塩化第一鉄)、消石灰、灰汁、ミョウバンなどを使っている。
 これから3回に分けて、カレン族の草木染めの方法を紹介する。
 藍といえば、染色の定番。タイではいわゆる藍の木、トン・クラーム(インドアイ、キアイ Common indigo, Indigofera tinctoria)も使われているが、ケオウワダムのカレン族の人たちは、バイ・ホーム(またはトン・ホーム。タイ語でトンは木の意味、バイは木の葉の意味)と呼ばれる植物を使う。
61号 カレン族の草木染。 バイ・ホーム(カレン語ではスニャラ)は大きな葉を持った草で、タイでは代表的な染料のひとつである。北部タイ族が普段着として着ている紺色の上着スワ・ホームもバイ・ホームで染めることからその名前がついている。カレン族の染色では、ほのかな藍というか、薄い上品な空色または青を出す。なんともいえない、渋い発色である。
 以下は、ケオウワダムの人々の、バイ・ホーム(琉球藍)の染め方である。


  1. まず市販の白い糸を買ってきたら、水洗いする。糸についている油を落とし、色が染み付きやすくするためだという。水洗いしたらよくしぼる。
  2. バイ・ホームの葉は、染める前にまる1日水につけておく。バイ・ホームを浸したたらいの中に糸を入れて混ぜ合わせ、手洗いで洗濯する要領で葉を糸に何度もからませ、こすりつけ、もみしばく。(写真3)
  3. これを大鍋に入れ、今度は熱湯で30分〜1時間ほどゆでる。(写真4)
  4. ゆで上がったら1度水で洗って、それに米の炊き汁(タイでは米を炊くとき、多めに水を入れ、炊いている途中で少しずつ捨てていくが、その水のこと)を加え、しぼって2日間ほど干す。米の炊き汁は、糸を固く、強くする効果があるという。
  5. 染め汁で汚れた手はマナオ(ライム)を入れた水で洗うとよく落ちるという。


61号カレン族の草木染。


(61号掲載)

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