チェンマイ発・ちょっとディープな北タイ日本語情報誌CHAO『ちゃ〜お』は毎月10日、25日に発行。本文へスキップ

<< カレン族の草木染め(1) | 最新 | カレン族の草木染め(3) >>

カレン族の草木染め(2)

カテゴリー: タイの山岳民族(三輪隆) | 2007.05.21 Monday

 

62号 カレン族の草木染■ ケオウワダム村のカレン族の人たちが赤系統の色を出したいときには、マイ・ブラドゥー(カレン語でクルベ)という高木の幹(樹皮)を使う。赤だけでなく、媒染剤(石灰などを使う)によって、黄土色、茶色などさまざまなの色を出す。
 ここで使われているマイ・ブラドゥーは豆科(Leguminosae)のインドシタン(pterocarpus indicus)、もしくはビルマカリン(Pterocarpus marcrocarpus )のどちらかではないかと推測される。カリンは高さ15〜20メートル、花は黄色。心材は赤か褐色で堅牢緻密、芳香があり、タイでは建材、牛車、道具類の柄などに用いられている。
 マイ・ブラドゥーの染めかたは以下のような手順で行う。

  1. 市販の白い糸を一昼夜水につけておく。
  2. マイ・ブラドゥーは、灰汁と一緒に15分間ほどゆでる。(ゆで加減で色が微妙に変わる)
  3. 米の炊き汁をまぜ、熱を冷ましてから水洗いし、日に2日間ほど干す。光と空気に触れるとみるみる赤味が増してくる。紫系統の色を染めるには、マイ・ファーンの木を使う。

62号 カレン族の草木染■ マイ・ファーンは豆科(Leguminosae)の植物で、いわゆる蘇芳(すおう)の木(Caesalpinia sappan)である。葉は、ネムノキのような複葉で、高さ15メートルほどの高木になる。心材は赤褐色で、ブラジリンという成分を含む。これは染料になり、媒染剤(鉄さびなどを使う)によって紫色だけでなく、赤、茶、灰色に染め分けることができるという。タイでは、薬草としても使われている。
 蘇芳は別名をBrazil wood というが、富田竹二郎の「タイ日辞典」(養徳社)によると、これはもともとインド語で蘇芳のことをブラジルと呼んでおり、ポルトガル人が南米のブラジルに上陸したとき、蘇芳に似た木があったので、それがブラジルの国名になったという。

(62号掲載)

タイの山岳民族 タイトル一覧へ

 

タイの山岳民族(三輪隆) | Top