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ラフ語講座基礎編(1)

カテゴリー: タイの山岳民族(三輪隆) | 2007.05.21 Monday

 

80号 ラフ語講座基礎編1 ラフ語はこれまで、タイやミャンマー、ラオス、中国雲南省などに住む多くの山地民の間で、リンガ・フランカ(共通語)の役割を果たしてきた。たとえばアカ族の人とラフ族の人が会話するときはもちろんのこと、リス族の人とアカ族の人が話すような場合でもラフ語が使われることがある。ラフ語の文法や発音が容易なこと、またラフ族がこれらの地域に広く居住していることが理由であろう。日本人にとっても山岳民族の言語の中ではもっとも習得が容易な言語かもしれない。
 ラフ語の基本構文は日本語と同じくSOV型(主語+目的語+動詞)である。「ご飯を食べる」という場合でも、「オ(ご飯) チャ(食べる)」というようにそのまま日本語と同様の順序で単語を並べればよく、タイ語のように「キン(食べる)カウ(ご飯)」といったように倒置しなくてもよい。また動詞の活用や時制の変化もなく、非常にシンプルである。疑問文には「ラ」や「レ」をつけ、否定文は動詞や形容詞の前に「マ」をつければよい。
 今回は、簡単な単語や文章を紹介する。本来はラフ語には有気音や無気音の区別もあり、また声調の違いによって意味も異なるので、キリスト教の宣教師によって作られたアルファベットと声調記号によるラフ語表記が望ましいが、ここでは簡略化してカタカナで表記する。
 ラフ語にはラフ・ナ語、ラフ・ニ語、ラフ・シ語など支系によって方言の違いがあるが、今回はラフ・ニ語の言い回しを紹介する。

はい「ヨ」いいえ「マヘ」
お元気ですか?「チェ サ ラ」
ありがとう。「オボウジャ」(「こんにちは」や「さようなら」の意味で使われることもある)
どういたしまして。「テ チ マ ヘ」
あなたの名前はなんですか?「ノ オメ(オチ) アマメ ヴェ レ」
私の名前は○○です。「ガ ヴェ オメ(オチ) ○○ メ ヴェ」
年は何歳ですか?「ノ アサ コ マ レ」または「ノ アサ カニ コ ガ オ レ」
なんといいましたか「アマ コ レ」
どこへ行くの?「コ カイ ヴェレ」
この人は誰ですか?「ツ テガ アス レ」
私のお母さんです。「ツ ガ エ ヨ」
遊びに行きます。「グ カイ ヴェ」もしくは「グ エ ヴェ」
ご飯を食べる。「オ チャ」もしくは「オ マ チャ」
水を飲む「イカ ド」 酒を飲む「ズ ド」
あなたはどこに住んでいますか?「ノ コカ チェ レ」
よい、美しい「ダ ジャ」(ジャは「とても」の意味。形容詞や動詞のあとに頻繁に使われる)よくない、醜い「マ ダ」
おいしい「メ ジャ」まずい「マ メ」
愛しています。「ガ ノ ハ ヴェ ヨ」
あなたと結婚したいです。「ガ ノ フ ガ ヴェ ヨ」(あなたのことがほしいという意味にもなるので注意)
いりません(けっこうです)。「マ フ」 いやです。(マ テ ガ)
そろそろ帰ります(さようならの意味で)「コ エ シャ」
気をつけて帰りなさい「アイェ イェ コエ」

80号 ラフ語講座基礎編2 なお、気をつけなければならないのは、ラフ・ニ語の場合、「お父さん」も「夫」もカタカナで表記すると、「オパ」となる。(声調がやや異なる)「これは私のお父さんです」と紹介されていたつもりが、実は彼女の夫であったというような恥ずかしい誤解も生じることがあるので要注意である。


(80号掲載)

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