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金持ちおじさん

カテゴリー: みちくさ写真 | 2007.05.21 Monday

 

みちくさ46号 金持ちおじさん

 チェンマイ大学のとある学部の入り口に、いつも座っている人がいる。
 ぽこんとつき出たお腹に、ショートパンツ、サンダル履きにニットキャップ。学生達から「パールン」と呼ばれる彼が、どこか裸の大将を思い出させるのは、そんな姿のせいばかりではない。
「タタ、タバココ、いっいっいっぽん」
 顔なじみの学生にはそう声をかけて、たばこや10Bをもらう。ある学生によると、普通の物乞いは「コー・ターン・ノーイ」(お金をください)というが、パールンは「コー・10B・ノーイ・クラップ」(10Bを下さい)と言うから、頭がいいということだ。確かに5Bもらっても食事は出来ないが、10Bあれば学生食堂でぶっ掛けご飯が食べられる。若い頃は同大学の学生だったが、勉強のしすぎでおかしくなったという人もいる。実際、西洋人の留学生に英語で話しかけているのを見かけたので、まんざらウソではないかもしれない。
 たまに来るえらい教授とは、長い付き合い? のようで、教授の姿が見えると、つつつと近寄ってワイ(合掌)をする。教授も「元気か?」などと言いつつ、100B札を渡すのである。
 ちなみに、パールンのパーとはパパの意味で、女性がお金持ちのおじさんを呼ぶときにも使う。ルンはおじさんの意味。
 ある日、聴講していた写真のクラスでポートレイトの課題が出た。学生とパールンの関係を面白く眺めていた私は、思い切って被写体になってもらった。
 パールンはにこりともせず、「撮った写真は大きくひきのばしてちょうだい」と言った。

チェンマイ

(46号掲載)

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