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へびを捨てる母親

カテゴリー: みちくさ写真 | 2007.05.21 Monday

 

みちくさ54号 ヘビを捨てる母親


 私の母が子供の頃を過ごした家には白いへびが住みついていて、「縁起がいい」と大切にされていたらしい。ある日、学校から帰った母が玄関の戸を開けると、目の前にその蛇がとぐろを巻いていた、という話を聞かされ、子供心に私が抱いた怖いけれど美しいその光景は、今もまだ私の脳裏にある。
 日本では蛇の夢を見ると「お金が貯まる」など、吉兆の印だという。人を殺すこともできる毒をもつ蛇という、管理しきれない自然への畏敬の念が、逆に蛇を「いいもの」としてあがめさせているだろうか? タイ人の友人に「へびの夢を見た」と言ったら「恋人ができる前触れだ」とひやかされた。どうであれ私の夢には出てきて欲しくない。
 本物の蛇など、道端にゴムのように転がった死骸か、動物園でしか見ずに育った私だったが、チェンマイの暮らしで、特に雨季には、割合身近な存在になった。お寺の塀に植物のような若草色の蛇がはっていたり、水浴び前に掃除をしようと、ふと水がめ代わりのバケツを持ち上げると、縞蛇がとぐろを巻いていた、ということもあった。
「蛇がいたら、特にそれが毒蛇なら、すぐに殺せ」と友人は言う。このラオスの母親も、蛇の頭を落とし、川に捨てた。それはごく自然な日常の一コマだった。

南ラオス

(54号掲載)

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