チェンマイ発・ちょっとディープな北タイ日本語情報誌CHAO『ちゃ〜お』は毎月10日、25日に発行。本文へスキップ

<< 女の子の髪 | 最新 | 親子 >>

阿波踊り

カテゴリー: みちくさ写真 | 2007.05.21 Monday

 

みちくさ69号 阿波踊り


 徳島県民は阿波踊りのお囃子が聞こえると血が騒ぐと言われているが、これはほぼ事実だ。それは身体で覚えた幼い頃からの楽しい記憶が蘇るからにちがいない(と徳島で育った私は思う)。
 お盆になれば近所の公園に櫓が立ち、浴衣を着せてもらって阿波踊りに行くのは、子供にとって大変な楽しみだった。男も女も老いも若きも踊りながらぐるぐる回る。毎日遊んでいる公園も提灯の明かりと人だかりのなかで見ると、どこか知らない特別な場所のように感じられたものだ。
 阿波踊りが徳島にとって唯一ともいえる大きな観光資源として注目されるにつれ、町内の盆踊りは小さくなっていった。お囃子隊も市街に出るため、町内の日程はお盆3日前にずらされた。そこには将来のスター踊り子を発掘しにスカウトマンが小学生を見に来ているという噂があり、実際、軽快な男踊りが上手だった同級生のM男は、有名連からスカウトされた。だから小学生達は疲れても休まず踊ったものだ。私もそのひとりだったが、ついぞお声は掛からなかった。
 連とは街を踊り歩くグループのことだ。連の踊り子達は6月頃から夕方の特訓を重ね、見事に揃った女踊りと躍動感あふれる男踊りを披露する。私も高校生の時、同級生のM子に誘われ、友人数名と連に入ったことがある。有名連とはほど遠い丸新デパートの広告用の連である。(今はなき丸新だが、昔は徳島唯一のデパートだった)踊りながら、丸新連の花形であるM子が「買い物!」と呼びかけ、残り全員は「丸新! ヤットサー、ヤットヤット」と大声で答える。恥ずかしいが、やはり、見るより楽しい阿波踊りであった。
 先日、チェンマイに阿波踊りがやってきた。女踊りには土地ごとの美意識が型として現れるものかもしれないが、男踊りはもう少し自由な感じがする。私は以前から、腰を落として手を前に突き出して踊る阿波の男踊りと北タイの男性の踊りが似ていると思っている。
 M男やM子はどう思うだろうか? 

チェンマイ

(69号掲載)

みちくさ写真 タイトル一覧へ

 

みちくさ写真 | Top