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へその緒の木

カテゴリー: みちくさ写真 | 2007.05.21 Monday

 

みちくさ75号 へその緒の木

 山村にはたくさんの昔話と言い伝えがあり、それを話すのが上手いのは年寄りと決まっている。
真っ暗な夜に囲炉裏を囲んで、大人も子供も年寄りの話に耳をかたむける。
 ほれ薬の話や人を食べるトラの話、そして一番多いのは、お化けの話だろう。どの話も村やいつもの森の中のことで、例えば木のお化けの話なら、その木の姿も、木のある場所も、聞き手の目にありありと浮かんでくる。子供たちは、夜の森の中を想像するだけで、怖くなる。
 私が訪ねたカレン族の村で、夜、お爺さんから聞いた話は、ちっとも怖くなかった。
「村の周りには、何本か『へその緒の木』というのがあってのう。子供が生まれたら、その子のへその緒を竹の筒にしまって、木にくくり付けておくんじゃよ。子供は大きくなったら、その木を大事にせねばならん。伐ってはだめじゃ。
 さて、どの木にするかは、子の親が選ぶ。
 まず、真っ直ぐに大きくなる木がいい。そうしておけば、子供も元気に大きく育つじゃろう。それから、実がたくさんなる木がいい。そうすれば、いろいろな鳥や動物が木の実を食べに集まるように、子供にもたくさんの友達ができるじゃろう」
 次の日の朝、お爺さんは孫の「へその緒の木」を見に連れて行ってくれた。  

チェンダーオ 

(75号掲載)

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