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お寺の学校

カテゴリー: みちくさ写真 | 2007.05.21 Monday

 

みちくさ91号 お寺の学校


 タイではお寺に小学校が併設されているところがある。登下校時や昼休みには、お寺の境内は校庭となり、思い思いに遊ぶ児童達でにぎやかなことといったらない。仏塔の前の広場でゴム飛びをしたり、菩提樹の木陰でおやつを食べたり。傍らではお坊さんが落ち葉を掃き清めている。そんな日常の中で、子供達に染み込んでいくものがあるような気がする。
 タイで暮らしていると、日本人の私も仏教と全く関わらないわけにいかない。最初は観光で寺をまわったり、友人に「タンブン」に誘われたりする程度が、そのうちに自分でお祓いに出かけるようになっている(?)。無宗教で生きてきた自分にも、何かが染み込んでいるのだろうか。
 正月明けのことだ。久しぶりに会ったタイ人の友人に近況を聞けば「彼が出家するのよ」と言う。それは一時的なことではないらしい。まだ結婚はしていないが、彼女は彼の実家に家族と一緒に住んでいた。彼女の心境を考えると、かける言葉が見つからない。そんな私に「マイペンライ。そりゃあ、少し寂しいけど、出家は喜ばしいことで、それを引き止めるのはいけないこと。彼も長い間考えて決めたことだから」と言う。冷静に受け入れているようだった。
 彼が家族も仕事も捨ててなろうとしている僧侶には、多くの戒律が課せられている。うそをついてはいけない、盗ってはいけない、殺してはいけない、欲をもってはいけない・・・。その全てを守ることは凡人には難しいことだけれど、寺で修行しているお坊さんを見ていれば、本当はこうあるべきだと無意識に思うようになるに違いない。
 お寺の学校で大きくなる子供達。きっと将来、染み込んだ価値観に助けられることがあるだろう。

(91号掲載)

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