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「黄色いバケツ」

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.06.19 Tuesday

 

99号ギャギャップ黄色いバケツ 日本にはお中元、お歳暮という習慣があって、知人や日頃お世話になっている方などに贈り物をする。その時期になると商店、デパート、スーパーではその為に贈物用としてセットされた商品を、特定のフロアやコーナーを設けて商戦を展開する。タイにはお中元やお歳暮の習慣は無いが、出産、病気見舞い、その他の祝い事やクリスマスなどに贈り物をする習慣は広く根付いているようで、デパートやスーパーなどではギフト・バスケットと呼んで籐の籠に食品や嗜好品などを形よく盛ったものを常設してあるコーナーがある。もちろん、クリスマス前などにこのコーナーが拡大されるのは、日本の場合と同じである。
 同じ贈り物セットでも、日本では見られないセット商品がタイにはある。既に皆さんお見掛けと思うが、食品、嗜好品に歯磨き、石鹸、洗剤などの日用品を黄色いバケツに入れて、黄色のプラスチックを被せたセットである。これは仏教徒が多く、お寺やお坊さんに喜捨(タンブン)する人の便利を諮ってのセット商品だから、見た目も便利そうで値段もそこそこだからとユメユメお寺以外の所に持っては行ってはならない。タイの仏教徒は生前にタンブンして徳を積めば、死後に極楽の世界が開けると信じている。また、結婚式は神道や教会で葬式にはお坊さんを呼ぶという、宗教を無茶苦茶に借用利用する日本人と違って、タイの人は平均月に2回くらいはある定番の仏教の行事はもちろん、個人的な祝い事や悩み事には必ずお寺に出向く。お坊さんに参詣に来た理由を述べ、お坊さんはお経の中に個人の名前などを読み込んで唱え、その後、ごく気さくなお説教、あるいはアドバイスがある。
 物日はもちろんだがこのような場合のタンブンに手軽に提げて行くのが黄色いバケツのタンブンセットである。お金を入れた封筒だけだとある程度の金額が必要だが、標準型のバケツセットが200から500バーツ以内でこれに小額の現金封筒を添えれば見栄えも良い。だから少し大きな雑貨屋、デパート、外資系のスーパーでもコーナーが常設され、恒例の仏教行事前には売り場が拡大される。その中身を見てみると普通小売値段が1個が数バーツから数十バーツ位の日用品が主であるが、これらがバケツ1杯となると果たして200〜300バーツのセット価格で出来るのか?
 今回のコラム末尾を飾るのドンデン返しのギャップはここである。同じ疑問を持った消費者保護局の開封検査がローカルTVで放映された結果によると、10個入りのパッケージの中身は2、3個しかなく、残りは空気、標準型の歯磨きや石鹸の箱には2、3回分しかない超小型旅行用の品が入っているのである。しかしこれら原価のトータルと販売セット価格は大体バランスしているので不問に付された。さすがコピーキャットで名高いタイ人の仕事と感心する。値段の手頃と便利さにつられて中身のカラクリを知らずにこれを寄進する人は非常に多いのだが、この上げ底タンブンを受けられる仏様はどう思っていらっしゃるのか? 南無阿弥陀仏!


(読者の皆さんからビックリ!ギャップ体験を募集します。私suga@loxinfo.co.thかChao編集部へどうぞ)

(99号掲載)

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