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バーンサバイ タイ・エイズシェルターからの便り

カテゴリー: ちょっとディープな本紹介 | 2007.06.20 Wednesday

 

バーンサバイ―タイ・エイズシェルターからの便り
アットワークス
バーンサバイ(著)
発売日:2005-07
おすすめ度:5.0


 現在、タイのHIV感染者は約100万人、AIDS患者は約20万人で、その半数がチェンマイを中心とする北部タイに住んでいる。バーンサバイはチェンマイに2002年に開設された、HIV感染者とAIDS患者のための宿泊施設であり、この本はバーンサバイが年に2回発行するニュースレターを中心にまとめられたものである。
 施設の設立運営に関わる人々の手記からは、タイと日本、それぞれのHIVに関する社会的状況が具体的に解る。タイではAIDS患者への差別が改善されつつあるが、先進国と呼ばれている日本では、AIDSを含めた性教育や心のケアが遅れていることなど、個々の事例を通して細かく書かれている。
 また、バーンサバイを訪れる多くの患者たち本人の言葉や、彼らと関わってきたボランティアの体験が、手記の中で語られる。絶望のあまり自ら命を絶つ者、カウンセラーとして生きがいを見つける人、その多くが社会の底辺を生きる人々である。病と戦い、さまざまな差別と戦いながら生きてきた人々の現状から、この病気が示す社会問題の大きさが見えてくる。
 そして何よりも、彼らの死と向き合って生きる姿は、私たちに生きる意味とは何かを考えさせるのである。  【編集部B】


(68号掲載)

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