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救急車

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.08.05 Sunday

 

ギャギャップ102号救急車 日本で天災や事故の時に出動する救急隊、いわゆる救急車は各地方自治体の消防局に所属し、大都会から地方の村までその組織と運営は世界のトップレベルである。だが各種の法律や規則でガンジガラメに縛られている日本では、救急隊員が医師免許を持たないため、現場から病院への搬送中になし得る応急手当に制限があり、もしこの枠が緩和されれば被害者の救命率がさらに向上すると改善策が検討されているのが現状という。これに比べるとタイの救急体制には日本のそれと正に天地のギャップがあり、全くお寒い次第である。
 ロングステイヤーは既にご承知と思うが、タイには救急隊と思われている「レスキュー隊」が各地域にあるが、これは公共機関ではなく宗教団体をスポンサーとした各個別々のボランティアグループで、警察の通報で出動し警官や消防隊員と同様に被害者の救出作業を行い、負傷者や遺体を病院などに搬送する。車両の多くは救急車のように改造したピックアップで、装備は応急手当用の機材ばかりか救出用の特殊工具まで用意したチームから、重傷者を屋根も無い荷台に在り合わせの板やむしろを敷いて運ぶなど、地域やグループで大差がある。隊員の知識や訓練も正規のものではなく、先輩を見習ったり経験のみと言って過言ではない。
 聞く所によると、この団体形成の発端の事情から、怪我人には誰でも救いの手を伸べるが、死者や助かる見込みの無い犠牲者は後回しになりがちだとか。また、不幸な遺体を回収して安置の場所に運ぶ仕事であり、その取り扱い数から隊員に特別手当が支給される制度があるため、現場に駆け付けたグループの間で縄張り争いや遺体の取り合いなど非常識な事態も起こると聞いている。この様な背景から、不手際で助かるべき命が失われたり、正常に回復出来る負傷者が永久身体不自由者になるケースが多いと、医療関係者からの批判や非難が絶えないが改善の気配は無い。
 では本当の救急車はあるのかと言えば、それはある程度の規模の公立や私立の病院が所有していて、仕様は救急車だが普段は患者輸送用で、医療設備は少しの格差はあっても皆標準的に整っている。要請があれば医師や看護士が添乗して出動する仕組みだから、常識的な距離なら地域に関係なく、原則有料だがケースバイケースで無料の場合もある。これは「レスキュー隊」と全ての点で大変なギャップで、また安心出来る。だから不幸にして事故に遭ったら自分であるいは誰かにお願いして、何とか最寄の病院から救急車の出動を要請するように努力する必要がある。
 さらに加えて常に注意する事は、タイと日本の違うこのギャップを知って、天災や事故に遭わないように自己防衛を忘れない姿勢であろう。


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(102号掲載)

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