チェンマイ発・ちょっとディープな北タイ日本語情報誌CHAO『ちゃ〜お』は毎月10日、25日に発行。本文へスキップ

<< 救急車 | 最新 | リス族の住居 >>

スキヤキ

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.08.05 Sunday

 

ギャギャップ103号スキヤキ
 すき(数寄)焼きは寿司と並んで代表的な日本食で、歌手、坂本九の大ナツメロ『上を向いて歩こう』が何故か『スキヤキ・ソング』となって、そのメロに乗って世界に知られました。
 タイには「すき焼き」の「スキ」を取ったと思われるタイ・スキというのがあっていくつかの専門店が全土にチェーン店を展開して居ますが、多くの方が既にご存知の通り、日本のすき焼きとは全く違った物です。小皿に入った肉、海鮮、野菜その他多数の素材を好みで注文して、テーブルに用意されたスープ入りの大鍋で煮てナム・チム(タレ)に浸けて食べる、強いて言えば日本の寄せ鍋で、特定の素材は網杓子で沸騰するスープに浸ける所はシャブシャブの亜流です。中国にはこれとほとんど同じ料理があるのですが、案の定、今は外国にも出店してタイ・スキの元祖と言われるコカ・スキ(Coca Suki)の初代は中国系タイ人でした。チェンマイの某ホテルでは形式はタイ・スキですが、「シャブシャブ」の看板を掲げ、ブッフェ式で日本風のタレを何種か準備して調合も可能なので、日本人には非常に人気があるようです。
 スーパーなどではパックしたスキ・セットがあり、ナム・チムだけも手に入りますから家庭でも作れますが、パックは中身の鮮度に注意が必要です。専門店でない普通のタイ食堂にも、スキ(スキー?)と言うメニューがあります。これは鍋ではなく、適当なスキの材料とウンセン(春さめ)を既に調理したものを丼で出してきます。
 すき焼きの語源は、昔農民が鋤(すき)を火にあぶって肉を焼いたから言われていますが、このイメージは鍋でなくて焼肉を想像してしまいますね。北海道の名物料理ジンギスカン鍋に見た目は全く似ていて違うのが、これも専門店でタイ人に人気のある「ムー・ガタ」(ムーは豚)です。ジンギスカンと同じドーム型の焼き網に見えますが、その縁が広く深くて水を入れるのがギャップです。焼く素材は肉だけで無くタイ・スキと同様いろいろですが、焼き物のエキスが鍋の縁に流れ落ちてスープが出来るから、お好みで焼いても良し煮ても良しでナム・チムで食べます。人気の秘密は定料金制食べ放題で、設定料金によって客層が決まるので慣れない日本人は入り難い欠点があります。
 もう一つ名前と実態が合わないものに、チェンマイには無いようだがバンコックにはある「モンゴリアンBBQ」です。これはジンギスカンや韓国焼肉を想像させますが、実態はケースに並ぶタイ・スキと同じような素材の中から好きなものを大きな丼一つに取り、同じく並んだ各種の調味料や香辛料を好みの量だけぶっ掛けます。その丼をホールの一角に待機するコックに渡すと、目の前で熱々に焼いた大鉄板にぶちまけ混ぜて炒めてくれます。これは鉄板焼きとお好み焼きの合いの子みたいなもので、BBQではありません。
 一般的に料理を名前から判断するのは難しいのですが、特に外国では「日本もののようでとんでもなく違うもの」がありますから用心が肝要です。


(読者の皆さんからビックリ!ギャップ体験を募集します。私suga@loxinfo.co.thかChao編集部へどうぞ)

(103号掲載)

ギャ!ギャップ! これって常識?非常識? タイトル一覧

 

ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | Top