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貧乏

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.09.29 Saturday

 

ギャップ104貧乏
 貧乏って何?お金が無い事? YES。日本なら、当然、お金が無いと食べて行けない。ところが、タイではYESでないのが、日本との貧乏のギャップなのです。
 最新の統計でも、タイ国民の半数は農村地帯に住んでいます。例え全く土地を持たなくても小作に雇われれば食べるお米はあります。野原や森には野生の野菜やキノコがあり、乾季には車が走れるくらい固く乾燥する田んぼでも、少し雨が降ればカニが這い出し、水が溜まると何処からか魚やエビが湧いて来ます。だから一年一度収穫するお米の代金から諸経費を引いた1万B前後の現金だけでも飢える事は無いのです。
 私の友人でたった一人でNGOを立ち上げて、もう20年もコーンケーンを中心にイサーン(タイ東北部)の子供の教育を支援している人がいます。この人はいつも開口一番に、「貨幣経済がタイの農村を破壊した」と言っています。昔の生活がそのままなら良かったのですが、子供の学校は中学校まで無償とは言うものの、制服や学用品その他学期ごとにお金が要ります。また流通機構が発達して、扇風機から始まりTV、冷蔵庫、水牛に代わる耕運機、バイクにピックアップトラックまで売りに来ます。どう探してもタダで田んぼでは拾えない物ばかりですが、お金が無ければ農協、銀行、クレジット会社が簡単に貨してくれます。ここで日本人なら「こんな買い物をしたら明日からどうして食べる?」とブレーキが掛かりますが、新い物好きで見栄っ張りそして食べるに心配の無いタイ人はここで返す当ての無い借金地獄に直行です。
 都会にはタイでもホームレスがたくさんいますが、彼らはダンボールを被って寒さを凌ぎ、レストランの残飯をあさる日本のホームレスと全く違います。田舎では現金収入が無いから町に出て来ているのですから、衣と食は人並みで酒も飲みます。気候の所為もあってちょっと厚着すれば公園ベンチでも橋の下でも凍えず家は要りません、いや初めからそんな物持つ気は無いのです。子供を連れた女や身体障害者で物乞いするのは、シンジケートが金集めに近隣諸国から不法に連れ込んだ者達でタイ人ではないのです。
 これも政府の統計ですが、タイ人世帯の支出は常に収入を上回り、現在単純平均で13万Bを各世帯は背負っていると言います。この借金がどうなるか? 焦げ付きと言っても債権は財産だから銀行も平気、政府の監査のため渋々取り立て裁判を起こせば、「可哀想な債務者同盟、何とかしてよ」のプラカードが政府庁舎の前に立ちます。これだけでも常識破りですが、同情の声のほうが高いのです。
 日本にも公式の宝くじがありますが、ドリーム・ジャンボの名前通り一攫千金の夢を見るためです。タイ人は平均的な日本人よりもギャンブル好きで、そのために借金を作る人も多いのですが、公的アングラを問わず宝くじを買う人の半数くらいは、「これが当たれば借金はチャラでお釣りがたっぷり」と考えているのだそうです。こんなノーテンキな事を言ったら、横っ面を張り飛ばされるか殺され兼ねないと思われますが、タイでは常識で通ります。バーツ高で苦しむロングステイヤーにとって、このギャップは如何に?



(読者の皆さんからビックリ!ギャップ体験を募集します。私suga@loxinfo.co.thかChao編集部へどうぞ)

(104号掲載)

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