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観音様

カテゴリー: みちくさ写真 | 2007.12.06 Thursday

 

みちくさ写真108号

 ムアンマイ市場近くの中国寺院に出かけたら、知り合いのAさんに会った。その日は丁度中国のお祭りで、大きな香炉のお線香の束から白い煙がゆらりゆらりと立ち昇っていた。観音様の前に供えられた祭壇の上には、果物やご馳走が並んでいる。1つ1つ意味があるのだと中国系チェンマイ人のAさんが教えてくれた。
 ワロロット市場や、ターペー通り、サンパコイ市場の周辺など、チェンマイの街には中国系の人が多い。チェンマイで生まれたAさんは中国語を話せないが、子供のころから中国の年中行事の儀式を欠かしたことがない。その上、タイの仏教行事もあるから、お祭りごとが多くて忙しいんじゃないかと思う。
 一度、ドイステープに登る前に、クルーバーシーウィチャイ(ドイステープの道を作った高僧。今もチェンマイ人の尊敬を集めている)の像に挨拶の寄ったら、Aさんに会った。「あんた、何か成功を祈願に来たの? 」「はあ、そうです。山登りが…」「じゃ、これに火をつけてあげるから」と渡してくれたのが、お線香の束だ。タイ式は3本だが、16本もある。中国式なのだろうか。煙にむせている私に、「タイ語が読めるなら、そこにお経が書いてあるから、きちんと3回読み上げるのよ」とニコニコ顔で立ち去った。
 話は中国寺院に戻るが、Aさんはお寺に祭られている神様について教えてくれた。土地の神様もあるし、観音様もいる。女の子がいる家では娘が観音様のようにふくよかで美しく育つよう、お化粧品や首飾りなど女性の神様が喜びそうなものを奉って祈るのだそうだ。年頃の娘さんがいるAさんは、「最近の娘ときたら肉なんてどこにも付いてないのにダイエットばかりしてねー」とあきれたように笑っている。
 美しさの基準は時代と共に変化しているが、太っていても、やせていても、不機嫌で近寄ると怒られそうだと美人も台無しだ。不細工でも最低限、機嫌がよくないと、と怒りっぽい自分に言い聞かせる。
 そういえば、ふくよかでいつも笑っているAさんは、観音様に少し似ている。お祈りが届いたのかもしれない。
 

(108号掲載)

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