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年配・老人ロングステイヤーの結婚(4)

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.12.06 Thursday

 

 日本人年配・老人ロングステイヤーとリス族の若い女性との結婚が、多いとはいえないまでも決して少なくないようだ。そのような結婚で、幸せな家庭生活を送っているケースをこれまで2組ご紹介した。しかし、リス族の若い女性と結婚をしたものの失敗に終わるケースが大半。誤解を恐れずに言わせてもらえば、日本人年配・老人ロングステイヤーとリス族の若い女性との結婚は95%以上(100人中95人以上)は失敗する。冷たく突き放して言えば、30歳から50歳もの年齢差のある若い女性が老人と結婚して、うまく継続する方が土台無理な話といっても過言ではない。
 実際に、チェンマイ市内在住者で結婚したリス族女性に「逃げられた人」「別れた人」「別れたい人」などが何人もおられるようだ。そんな中で「別れたい人」の日本人老人ロングステイヤーのケースを紹介しよう。
 その日本人老人ロングステイヤーを仮にAさんとする。Aさんは72歳を超えている老人だが、足腰はしっかりして車も運転し簡単な畑仕事や大工仕事もやるなど、まさに元気そのもので、そのような年齢を感じさせない。何か止むを得ない家庭事情があったのだろう、Aさんは日本での財産をすべて処分してチェンマイにやってきてロングステイをスタートした。郊外の高級新興住宅地に、タイ人の名義を借りて一軒家の住宅地を購入。偶然だが、その住宅地にタイ人の奥さんと暮らしている年配日本人と知り合うことになり、その夫婦から、山岳民族であるリス族の18歳の未成年少女との結婚を紹介される。これにはさすがのA老人も、夢のような話だと完全に舞い上がってしまう。言われるままに紹介料や結納金などを払って、山奥のリス族村になんと日帰りで出向いて結婚儀式を慌しく済ませる。汚く粗末な村の家に泊まるなどできぬと頑固に拒否したA老人の、日帰り電撃結婚式だったそうだ。
 村での結婚式を済ませ、次は役所に出向いての結婚登録だが、相手が未成年の少女なので少女の両親も承諾署名してのそれだった。結婚登録した後は、住宅地を借りているタイ人名義から、結婚したリス族若妻の名義に変更。夢のような結婚生活が始まるはずだったのだが、それは結婚後数ヶ月でリス族若妻は手のひらを返したように態度を豹変する。
 最新の携帯電話を買えだの、自分用にもう1台自動車を買えだのと、あれこれ買えとの要求。それを断るとケチだと罵倒し、一緒の食事も一緒の寝室も何もかも拒否行動に出て、Aさんをことごとく無視する始末。
「あきらかに私にいろんな嫌がらせを次々にしてきて、私がこの住宅から逃げ出すのを狙っています。これも妻を紹介してくれた日本人のタイ人妻の指図だと思います。あのタイ人妻と私の妻はぐるになって私を追い出そうと、あの手この手を繰り出してきているようです! どうも最初からはめられたようです…」
 さすがにA老人は結婚を早まったのをしきりに後悔。後悔しても、この妻の名義の住宅を出て行ったら、A老人は路頭に迷うことになる。別れたいのだが、それでは若妻の思う壺にはまってしまうというジレンマに悩むことに。
 ここまで記したら、「70歳過ぎの老人が20歳にもなっていない少女と、本気になって結婚した報いというか、自業自得でしょう」と大半の人が冷たくみるに相違ないだろう。しかし、A老人にしてみれば「家に居るも地獄、家を出るも地獄」の切羽詰った状況で、相談を受けた立場としては無碍に突き放すわけにもいかない。A老人は弁護士をたてて、土地住宅名義を返してもらっての円満離婚を考えていた。ところが、タイ国弁護士協会でさえ悪徳弁護士の多さに警告を発しているお国柄。リス族若妻が、紹介したタイ人妻と結託して悪徳弁護士を立ててきたらどうなるのか。あれこれ考えてもなかなかうまい対処法は見つからなかった。もうしばらくリス族若妻の様子を見ながら、何とか穏便に別れる方法を考えることとなった。ところがその後、風の噂ではだいぶマシになって、離婚せずになんとか続いているとのことだが、真偽の程はわからない。
 ちなみにA老人はタイ語などほとんど話せず、リス族若妻とは日本語で会話しているとのこと。18歳の彼女がどうして片言でも日本語を話せるのか。そこの素朴な疑問にAさんは気付かなかったようだ。老人と若い女性との結婚話など所詮無理な話。それを百も承知で、手っ取り早いゼニ儲けと結婚を斡旋する個人や業者が後を絶たない。しかし、これまで紹介したご夫婦家族のように、30歳以上の年齢差を超えて幸せな家族生活を続けているのも、疑いようのない事実である。


(110号掲載)

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