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お葬式

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.12.06 Thursday

 

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 タイは多民族国家ですから死に対する考えや習慣がそれぞれ違いますが、最も大多数を占める仏教徒は、突然の不慮の死は別として割にクールに死と対応するようです。恐らくタイ仏教の教えによって、生前さしたる悪い事もせずそこそこタンブン(仏様への寄進)を行っていれば、来世で幸福に暮らせると信じているからでしょう。ですからお葬式も余り湿っぽくなく、故人の新しい旅立ちを皆でお見送りするといった感じで、親族があまり悲しむと死者が足を引っ張られて旅立ち難くなると諭されるくらいです。
 仏教の場合お通夜は比較的長く一週間にも及びますが、その家の経済状況でそれ以下の場合もあり、田舎や郊外では殆ど自宅で行い、この間の僧侶や弔問客の食事などは地域の女達が総出で仕事を分担します。お通夜の夜食はカーオトム(おかゆ)が定番ですから、他の慶事の食事にはカーオトムは出さない習慣があります。これに必要なテント、椅子テーブル、食器、鍋釜などは地域のお寺や地区事務所が行事用に持っている一式を貸してくれるので不便はありません。地域としては一種の社交行事ですから、特に男達は飲食しながら故人の話題や世間話で時を過し、不謹慎にもささやかな賭け事までありますが、大体大目に見られます。
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 自宅が市街地でこの様な集まりの場所が無いとか、近隣以外にも多くの会葬者が見込まれる時は、お寺の敷地やサーラー(集会場)を何日か借用します。バンコックなどでは専門の業者が式一切を取り仕切り、このサーラーを10棟くらい持ち常に満席のお寺もありますから、サーラーの名前やナンバーを確かめないと、他家の葬儀に迷い込んだりして戸惑う事があるので要注意です。
 話の順序で後回しになって申し訳ありませんが、日本では皇室とのゆかりや国家のために功績があった民間人の葬儀には皇室から使者が供花などを霊前に届けますが、皇族自身が出向かれる事は殆ど希です。対照的にタイではそのような葬儀の告別式に王族が臨席されるのが日常的頻繁に行われます。タイの王族は自身に関する儀式、仏教の行事、それに王族が主宰あるいは支援されるプロジェクトも数多くあります。現在は国王、王妃がご高齢で皇太子や皇女が手分けしてそれらに出席されますが、その回数と同じくらいにお葬式があり、毎夜放映されるタイTVの王室ニュースで見ると一日に2箇所の日も珍しくありません。国民との距離を最小に保つとの現王族のお思し召しとは言え、これは大変なハードワークで頭が下がります。
 身元不明者や貧困でお棺が買えない人のためにはお寺や慈善団体が用意していますが、それを予め寄付する事はタンブン(善行)のひとつです。仏教の場合は火葬が普通で、葬儀場から火葬場まで僧侶を先頭にお囃子と派手に飾った葬列で移動します。中国系の家では故人があの世で不便しないように住宅、車、その他の愛用品を一緒に燃やします。もちろん小さな燃え易い模型ですが、これを作る専門の商売があり、流行に遅れないため車などはいろいろなカタロクを常に勉強しているそうです。
 点火の開始には花火が用いられますので、時ならぬ音を聞くとそれは誰かが旅立ったのだと判ります。タイではお墓を造らないで、遺灰を川や海に流す散骨が主流なのも日本との大きな違いです。



(読者の皆さんからビックリ!ギャップ体験を募集します。私suga@loxinfo.co.thかChao編集部へどうぞ)

(109号掲載)

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