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バス交通

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2008.03.19 Wednesday

 

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 タイでは小学生でもバイクに乗る程の車社会で公共大量輸送機関はバスしか無いから、バイクや車を持てないロングステイヤーにとっては非常に不便である。チェンマイには小型トラック改造のソーンテーオと呼ばれる乗合バスと路線バスがあり、その他の地方都市でも同じ仕様のものがある。これらは1台1台がオーナー・ドライヴァーで、同業組合を結成して運行しているのが普通。数年前から発足したチェンマイの市営バスもソーンテーオ組合の力に勝てず協同運航のような妥協策を取っている。だから公営バスとして発達できるか??である。
 一応、公営バスと言われているものには、地方陸運公社の全国の市町村間を結ぶ長距離バス網と、バンコック市内と周辺郊外を走るバンコック大量輸送公社(BMTA)のバスがある。だが、バス事業に限らず、タイ政府系公社の職員はその能力に欠けるのか、公共に奉仕する精神が無いのか、実際の現場の仕事は全て民間業者に委託してそのカスリで私腹を肥やす事しかしない。長距離バスは統一されたカラーに塗装はされているが、公社の所有車を公社の乗務員が運行しているのは約3分の1で残り多数は民間業者である。その識別は車体に大きく書かれた○○−XXの数字だけで素人には判らない。契約業者達はチェンマイのソーンテーオと同じく組合を作り交通大臣と直接交渉出来る実力があるから、運賃設定から全て公社の行政指導などは馬耳東風、旅客サービスどころか安全運行なども無視して走るので大事故が絶えない危険な乗り物である。
 BMTAの場合は更に常識を超えたあっと驚く実状である。運行しているバスの3分の2は個人の所有で、それがフリーランスの運転手に賃貸しされて売上の歩合が支払われるサムロー(人力車)やタクシーと同様な仕組なのである。だから運転手は売上だけが目的で車両の整備や安全運転には無関心、勤務状況を監視される事も無いから無責任で勝手放題。稼ぎの無い時は木陰に駐車して昼寝、ラッシュアワーには暴走して他のバスを押し退けて割り込んで客を拾い、道路の真中でも平気で停車して乗降させ安全の確認もせず発進したりする。だから人命かかわる事故が絶えないのである。もちろん、バスの所有者はレンタル料が目的で運転手の素質経歴などには関心が無い。日雇いの亭主がハンドルを握り、車掌は女房か子供と言う一家総出で運行しているケースは珍しくない。
 タイの鉄道は数十年前に発達が止まり車両も運行も博物館行き一歩手前の状態で、バスが唯一の庶民の足である。このような考えられないギャップを見ると、日本の公共大量輸送機関の素晴らしさが今更ながら感謝される一方、バスに限らずタイの交通行政の欠陥は絶望的であるのが理解される。それを国際的にさらけ出したのがスワンナプーム新バンコック国際空港で、開港始めから欠陥空港で1年になる今もあまり改善が見られないのは皆さん既に利用されてご存じの通りである。




(読者の皆さんからビックリ!ギャップ体験を募集します。私suga@loxinfo.co.thかChao編集部へどうぞ)



(112号掲載)

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