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タイのTVを見る(最終回)

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2008.05.24 Saturday

 

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「ちゃ〜お」84号から約1ヵ年、日本とタイのカルチャー・ギャップを取り上げて来ましたが、今回をもって一応終了させようと思います。約30程のギャップをご紹介しましたが、実はこの何倍?何十倍?のギャップが存在するのです。しかし、多くのロングステイヤーの皆さんが既に体験されたり、これから出会うかも知れないギャップの数はこの辺だろうというのが終了の理由です。
 タイ人の考える事とする事は日本人のそれと大きなギャップがあります。彼等の脳の構造や胸の内を切り開いてもっと覗いて見たい方は、タイのTVを見る事をお勧めします。良し悪しは別としても、TVは社会の鏡で、また時代のトレンドを作ると言われます。皆さんの殆どは言葉の壁でタイのTVをご覧にならないでしょうが、百聞は一見に如かずで、ストーリーは判らないでも画面だけの事は判ります。
 そして、最もお勧めはソープ・オペラと言われるTVドラマです。お涙頂戴の貧乏や立身出世物語はタイ人のお呼びではなく、大方のドラマは公園のような庭の中幾つかの超豪華な大邸宅が建ち、そこでのウルトラ金持ちの大家族の生活が舞台になります。全人口の10パーセント有るか無いかのこの生活が、タイ人の強烈な願望なのです。これがタイ人の浪費癖、インスタント・リッチを目指すギャンブル癖から、果ては横領、汚職や麻薬密売その他の不法犯罪行為の温床となっています。 
 さて、その設定で展開するドラマはというと、ハッピー・ドリームではなくて、男女、親子、夫婦間などの人間模様のもつれや財産の争いなどありったけのもめ事をリアルにまたはコミカルに描き、トップファッションの女同士がプロレス並みに取っ組み合い、女が男の横っ面を張り飛ばし、簡単にピストルなども登場する憎み合いの活劇です。これを見る聴視者は、自分で果たせないで鬱積している不満や怒りをキャストが代行してくれる事で溜飲を下げてスッキリするのです。その他にも日本人の常識では考えられない行動が数々登場します。
 それからタイドラマの特徴として現代劇時代劇を問わずその半数以上がオカルト仕立てである事で、登場人物の何人かが超能力者で神出鬼没、怪奇現象を演出し、眼、口や手の先から怪光線を出し、それに当たった相手は七転八倒し血反吐を吐いて失神するなどの場面が登場するのです。これは占いや心霊現象を異常なまでに信じ、それに恐れおののくタイ人の性格を表現します。このようなドラマの画面を見るだけでストーリーが判らなくても、タイ人の心の大部分を覗き見る事が出来て、今まで知らなかった更なるギャップを知る事が出来ます。
 ロングステイが長引くに従い、足元に開くギャップの広がりに気付きます。これに耐えられなくなってくると、それはロングステイ継続不能の兆しですから、楽しかった思い出が壊れないうちに帰国しましょう。反対にこのギャップをものともしないで、平気で乗越え、またそれを有利に逆用出来る人ならば、日本では思いもつかないユニークな世界を展開、エンジョイして、ロングステイどころか永住も可能でしょう。
 このコラムはこれで最終回となります。ご愛読ありがとうございました。では、また何かの機会に。


(116号掲載)

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