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結婚−男はつらい?

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.09.29 Saturday

 

ギャップ106bギャップ106a
 ごく常識的に日本人は単一民族で、同じカルチャーを共有していると言われます。一方、タイの国境地帯の山岳地や南部海岸には、多種の少数民族がそれぞれの生活習慣を維持継続しています。ですから多民族国家でカルチャーの混在があるのですが、このコラムでは私達が日常接するマジョリテイーのいわゆるタイ人カルチャーとのギャップを見ていますので、あまり難しく考えないで読んでいただきたいと思います。今回は人生の節目の結婚です。
 基本的な大きな違いは、タイを含め東南アジアの多くは母系家族ですから、養子縁組など関係なく、男は女側に婿入りするのが普通です。最近、結婚後の姓は女側でも両姓でもよくなりましたが、いずれにしても嫁の親族と同居になり、嫁の親達の面倒を見ることになります。それだからタイでは、男子でなくて「女子誕生バンザイ」と考えられます。何故なら男は育てても他家に取られるだけだが、娘は男を家の労働力の追加としてずっと親の面倒も見られるからです。
 ここで核家族独立世帯化の進んでいる日本人(外国人)が気を付けなければならないのは、外国人婿は労働力として迎えられる代わりにミルクの出る牛(搾ればいくらでも金を搾り取れる?)として、多数の親族を経済的に支援するのが至極当たり前と理解されます。この大ギャップを十分承知して、それに耐えられるだけの度量と経済力に自信が無ければ、骨と皮だけにならないようにタイ人女性との結婚は避けた方が無難でしょう。
 タイ人男性にとっても結婚は大変です。正式な結婚には結納金があるのは日本と同じですが、「半返し」とか「袴(はかま)代」などとして半額返る事は無く全額取られっぱなし、最近の相場では最低10万バーツに純金のネックレスなどが要求されますから、それが無くて手続き出来ないカップルも多いようです。タイでは入籍にあまりこだわりませんし、離婚歴も問題視されません。だから最近ブームのヴァレンタインデーに60、70代のカップルが入籍して話題になります。結婚式も男が自分の親族に守られて(?)女の家の会場に向い、門前で女側からクイズめいた検問を受けて入る習慣さえもあるのです。
 亭主になっても「飯」「風呂」「寝る」とふんぞり返れません。何故か熱帯地方の男は甲斐性が無いので、嫁がシャカリキ働き、婿は掃除洗濯炊事家事一切から子育てまでやらされるのも珍しくありません。
 対照的なのはタイ男の婚前の求愛はこれ物凄いもので、学業や正業を打ち捨てて全ての時間とお金をお目当ての女性に注ぎ込みます。かつて流行った「アッシー君」の何十倍かですから、うっかり日本人の女性がタイの男にこまされるケースも多いようです。だが、いったん目的を達すると、疲れ果てるのか途端に元の怠け者に逆戻りして、子供でも出来ると次の女を捜すのもタイ男の特徴です。こんな事でタイには母子家庭が多いのですが、先述のように親族の結束が固いので、子供は母親や祖母などが養育して、お母さんは出稼ぎでも何処でも陽気に仕事に専念するのもタイの特徴です。結婚に限らず、トータルでタイは女が強く、男の評価はいまいちです。貴方はこのギャップに飛び込む勇気がありますか?


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(106号掲載)

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道案内

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.09.29 Saturday

 

ギャップ105道案内
「エキスキュウズ・ミー、プリーズ・ショウ・ミー・ザ・ウエイ・トゥXXX」、旅行者用英会話に必ずあるフレーズですね。道に迷ったら地元の人に尋ねるのが世界の常識ですが、タイではこれが非常識、そんな事ってあるの?
 初めはタイ語が下手だからとばかり思っていましたが、ある時、道に迷って車を道端に寄せて、同行のタイ人に「そこの人に道を聞いてよ」と言ったら、「タイ人は道を知らないから聞いても駄目よ」と窓も開けようとしないのでショックでした。 タイ人は色彩やデザインなどに独特の素晴らしいフィーリングを持っていますが、一般的に物事を順序良く解明したり組み立てるロジックに欠ける性格なのです。本当は道を知らないのではなくて、本人なら目をつぶってでも行けるのですが、「ここから三つ目の十字路を右折して、百メートルほど行くと電話ボックスがあり、その角を左に入れば直ぐですよ」、と他人に説明する事が上手く出来ないのです。
 さらに、これに輪を掛けるギャップがあります。日本人は「もし貴方が知らない事や出来ない事を人に尋ねられたら、直ぐ丁寧にお断りしないと相手に迷惑が掛かりますよ」と教えられていますが、殆どのタイ人は「知りません」「出来ません」と一言のもとに断わるのは相手に大変失礼で、また自分に対しても非常に恥ずかしい事と信じているのです。
 では、どうするか??? それが本人達にも良く判らないから、見ず知らずの人に突然捕まって質問される事は思いもよらない災難と受け止めて、何とか早くその場から脱出する事に考えが走ってしまいます。知ったかぶりや出来るふりをするのも一つの逃避術ですから、「この道を真っ直ぐ行けばチェンマイに行けますね」などとヒントを与えようものならもう大変、「はい、はいそうですよ」との答えを信じて数十キロ反対方向に走る羽目になります。
 ですからタイでは、ガイドブックや地図を良く勉強して自分自身に頼る以外に道は開けません。地図と言えば、日本では「ちょっと待ってね」と言って紙切れとペンで簡単な地図を描いてくれる人も珍しくありません。これもタイの学校のカリキュラムがどうなっているのか? タイ人は地図に弱いから地図を見せても役に立ちません。甚だしい例を挙げれば、イサーン(東北地方)で迷った時、駐在所を通り過ぎたのを思い出して数キロもUターンしてお巡りさんに聞いたがチンプンカンプン、「今この交番の場所は何処ですか?」と地図を出して見せたら、彼は動転して答えられない。警察官でも地図が読めない事があるんですね。この時は運良くバイクで乗り付けて来たアンちゃんが道を教えてくれたので助かりました。
 ついでですが、タイで最も正確な地図はタイ陸軍の作った「ペーンティ・タハーン」というものですが、大きな書店でも品揃えが少なく何年毎に更新するのか? 新しい道路が無いのが欠点です。比較的便利なのは大手石油会社の宣伝用ロードマップで、大きな給油所で無料でもらえます。


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(105号掲載)

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貧乏

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.09.29 Saturday

 

ギャップ104貧乏
 貧乏って何?お金が無い事? YES。日本なら、当然、お金が無いと食べて行けない。ところが、タイではYESでないのが、日本との貧乏のギャップなのです。
 最新の統計でも、タイ国民の半数は農村地帯に住んでいます。例え全く土地を持たなくても小作に雇われれば食べるお米はあります。野原や森には野生の野菜やキノコがあり、乾季には車が走れるくらい固く乾燥する田んぼでも、少し雨が降ればカニが這い出し、水が溜まると何処からか魚やエビが湧いて来ます。だから一年一度収穫するお米の代金から諸経費を引いた1万B前後の現金だけでも飢える事は無いのです。
 私の友人でたった一人でNGOを立ち上げて、もう20年もコーンケーンを中心にイサーン(タイ東北部)の子供の教育を支援している人がいます。この人はいつも開口一番に、「貨幣経済がタイの農村を破壊した」と言っています。昔の生活がそのままなら良かったのですが、子供の学校は中学校まで無償とは言うものの、制服や学用品その他学期ごとにお金が要ります。また流通機構が発達して、扇風機から始まりTV、冷蔵庫、水牛に代わる耕運機、バイクにピックアップトラックまで売りに来ます。どう探してもタダで田んぼでは拾えない物ばかりですが、お金が無ければ農協、銀行、クレジット会社が簡単に貨してくれます。ここで日本人なら「こんな買い物をしたら明日からどうして食べる?」とブレーキが掛かりますが、新い物好きで見栄っ張りそして食べるに心配の無いタイ人はここで返す当ての無い借金地獄に直行です。
 都会にはタイでもホームレスがたくさんいますが、彼らはダンボールを被って寒さを凌ぎ、レストランの残飯をあさる日本のホームレスと全く違います。田舎では現金収入が無いから町に出て来ているのですから、衣と食は人並みで酒も飲みます。気候の所為もあってちょっと厚着すれば公園ベンチでも橋の下でも凍えず家は要りません、いや初めからそんな物持つ気は無いのです。子供を連れた女や身体障害者で物乞いするのは、シンジケートが金集めに近隣諸国から不法に連れ込んだ者達でタイ人ではないのです。
 これも政府の統計ですが、タイ人世帯の支出は常に収入を上回り、現在単純平均で13万Bを各世帯は背負っていると言います。この借金がどうなるか? 焦げ付きと言っても債権は財産だから銀行も平気、政府の監査のため渋々取り立て裁判を起こせば、「可哀想な債務者同盟、何とかしてよ」のプラカードが政府庁舎の前に立ちます。これだけでも常識破りですが、同情の声のほうが高いのです。
 日本にも公式の宝くじがありますが、ドリーム・ジャンボの名前通り一攫千金の夢を見るためです。タイ人は平均的な日本人よりもギャンブル好きで、そのために借金を作る人も多いのですが、公的アングラを問わず宝くじを買う人の半数くらいは、「これが当たれば借金はチャラでお釣りがたっぷり」と考えているのだそうです。こんなノーテンキな事を言ったら、横っ面を張り飛ばされるか殺され兼ねないと思われますが、タイでは常識で通ります。バーツ高で苦しむロングステイヤーにとって、このギャップは如何に?



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(104号掲載)

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スキヤキ

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.08.05 Sunday

 

ギャギャップ103号スキヤキ
 すき(数寄)焼きは寿司と並んで代表的な日本食で、歌手、坂本九の大ナツメロ『上を向いて歩こう』が何故か『スキヤキ・ソング』となって、そのメロに乗って世界に知られました。
 タイには「すき焼き」の「スキ」を取ったと思われるタイ・スキというのがあっていくつかの専門店が全土にチェーン店を展開して居ますが、多くの方が既にご存知の通り、日本のすき焼きとは全く違った物です。小皿に入った肉、海鮮、野菜その他多数の素材を好みで注文して、テーブルに用意されたスープ入りの大鍋で煮てナム・チム(タレ)に浸けて食べる、強いて言えば日本の寄せ鍋で、特定の素材は網杓子で沸騰するスープに浸ける所はシャブシャブの亜流です。中国にはこれとほとんど同じ料理があるのですが、案の定、今は外国にも出店してタイ・スキの元祖と言われるコカ・スキ(Coca Suki)の初代は中国系タイ人でした。チェンマイの某ホテルでは形式はタイ・スキですが、「シャブシャブ」の看板を掲げ、ブッフェ式で日本風のタレを何種か準備して調合も可能なので、日本人には非常に人気があるようです。
 スーパーなどではパックしたスキ・セットがあり、ナム・チムだけも手に入りますから家庭でも作れますが、パックは中身の鮮度に注意が必要です。専門店でない普通のタイ食堂にも、スキ(スキー?)と言うメニューがあります。これは鍋ではなく、適当なスキの材料とウンセン(春さめ)を既に調理したものを丼で出してきます。
 すき焼きの語源は、昔農民が鋤(すき)を火にあぶって肉を焼いたから言われていますが、このイメージは鍋でなくて焼肉を想像してしまいますね。北海道の名物料理ジンギスカン鍋に見た目は全く似ていて違うのが、これも専門店でタイ人に人気のある「ムー・ガタ」(ムーは豚)です。ジンギスカンと同じドーム型の焼き網に見えますが、その縁が広く深くて水を入れるのがギャップです。焼く素材は肉だけで無くタイ・スキと同様いろいろですが、焼き物のエキスが鍋の縁に流れ落ちてスープが出来るから、お好みで焼いても良し煮ても良しでナム・チムで食べます。人気の秘密は定料金制食べ放題で、設定料金によって客層が決まるので慣れない日本人は入り難い欠点があります。
 もう一つ名前と実態が合わないものに、チェンマイには無いようだがバンコックにはある「モンゴリアンBBQ」です。これはジンギスカンや韓国焼肉を想像させますが、実態はケースに並ぶタイ・スキと同じような素材の中から好きなものを大きな丼一つに取り、同じく並んだ各種の調味料や香辛料を好みの量だけぶっ掛けます。その丼をホールの一角に待機するコックに渡すと、目の前で熱々に焼いた大鉄板にぶちまけ混ぜて炒めてくれます。これは鉄板焼きとお好み焼きの合いの子みたいなもので、BBQではありません。
 一般的に料理を名前から判断するのは難しいのですが、特に外国では「日本もののようでとんでもなく違うもの」がありますから用心が肝要です。


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(103号掲載)

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救急車

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.08.05 Sunday

 

ギャギャップ102号救急車 日本で天災や事故の時に出動する救急隊、いわゆる救急車は各地方自治体の消防局に所属し、大都会から地方の村までその組織と運営は世界のトップレベルである。だが各種の法律や規則でガンジガラメに縛られている日本では、救急隊員が医師免許を持たないため、現場から病院への搬送中になし得る応急手当に制限があり、もしこの枠が緩和されれば被害者の救命率がさらに向上すると改善策が検討されているのが現状という。これに比べるとタイの救急体制には日本のそれと正に天地のギャップがあり、全くお寒い次第である。
 ロングステイヤーは既にご承知と思うが、タイには救急隊と思われている「レスキュー隊」が各地域にあるが、これは公共機関ではなく宗教団体をスポンサーとした各個別々のボランティアグループで、警察の通報で出動し警官や消防隊員と同様に被害者の救出作業を行い、負傷者や遺体を病院などに搬送する。車両の多くは救急車のように改造したピックアップで、装備は応急手当用の機材ばかりか救出用の特殊工具まで用意したチームから、重傷者を屋根も無い荷台に在り合わせの板やむしろを敷いて運ぶなど、地域やグループで大差がある。隊員の知識や訓練も正規のものではなく、先輩を見習ったり経験のみと言って過言ではない。
 聞く所によると、この団体形成の発端の事情から、怪我人には誰でも救いの手を伸べるが、死者や助かる見込みの無い犠牲者は後回しになりがちだとか。また、不幸な遺体を回収して安置の場所に運ぶ仕事であり、その取り扱い数から隊員に特別手当が支給される制度があるため、現場に駆け付けたグループの間で縄張り争いや遺体の取り合いなど非常識な事態も起こると聞いている。この様な背景から、不手際で助かるべき命が失われたり、正常に回復出来る負傷者が永久身体不自由者になるケースが多いと、医療関係者からの批判や非難が絶えないが改善の気配は無い。
 では本当の救急車はあるのかと言えば、それはある程度の規模の公立や私立の病院が所有していて、仕様は救急車だが普段は患者輸送用で、医療設備は少しの格差はあっても皆標準的に整っている。要請があれば医師や看護士が添乗して出動する仕組みだから、常識的な距離なら地域に関係なく、原則有料だがケースバイケースで無料の場合もある。これは「レスキュー隊」と全ての点で大変なギャップで、また安心出来る。だから不幸にして事故に遭ったら自分であるいは誰かにお願いして、何とか最寄の病院から救急車の出動を要請するように努力する必要がある。
 さらに加えて常に注意する事は、タイと日本の違うこのギャップを知って、天災や事故に遭わないように自己防衛を忘れない姿勢であろう。


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(102号掲載)

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絆(きずな)

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.07.21 Saturday

 

絆(きずな) 心の絆(きずな)、愛の絆と言う言葉は、昔は文章や詩の中にしばしば現れていたが、今の若い世代にとっては既に死語になっているのではなかろうか? 絆と言う漢字も普段お目に掛かる事は希である。この絆は普通は目に見る事が出来ない糸と考えられている。だがタイではこれを見て手に触れる事が出来る。但しこの結論は、タイに長らく滞在して私が見聞体験した事からの私流の解釈だから、異論を持たれる方があっても当たり前と心得てこのコラムを書いている。
 それはタイのマジョリテイーである仏教に関連した行事や習慣で登場するバーイシーである。木綿の糸だが縒り(より)は強くないから、コツを覚えれば掌に巻いてやっとちぎれる(刃物で切ってはいけない)普通の紐であるが、勿論お寺でお払い清められた物でなければならない。大掛かりな使い方では、地鎮祭や新築祝いなどにその敷地や建物をグルリと一周張り巡らすから数百、数十米になる。その一端は仏様に結ばれ、儀式を司る僧侶の手を経て端末は施主の合掌の手に握られて儀式が進行する。またお寺での大きな仏事の際には、ウボソットとかサーラーと呼ばれる礼拝堂の天井に縦横に張り渡し、勿論仏様や参加する僧侶の手に結ばれる幹線が作られる。そして適当な間隔で詰め掛ける信者の手に届くほどの長さの支線が幹線から多数垂れ下げられる。儀式が始ると参列者はこの端末を手に合掌するかそれを頭に巻き付け、終わると適当にちぎって大事に家に持ち帰る。人数の増加や遅れて来る人がいてこの支線の不足を考えて、予め会場には大きな糸巻きが用意されて、これで幹線を延長したり追加の支線を垂らしたりして対応する。
 小さな使用としては、個人的にお寺にタンブン(喜捨)に訪れてお坊様にお祈りしてもらった後、短くちぎったものを手首に巻いていただく。また、仏式に則った結婚式では、儀式の終わりに招待客が祝いの言葉と共にカップルの手首に用意されたバーイシーを巻く習慣がある。もっと個人的なものでイサーン(東北地方)出身者多くに見られるが、身奇麗な服装なのに手首に汚れて灰色になり毛羽立ったバーイシーをしている人がいる。彼らは勉学や就職或いは長い旅行で故郷を離れる際には、親族や部落の長老にご挨拶する習慣が根強く残っている。年配者たちは、この時のために普段から準備されたバーイシーを旅の安全や健康と成功への祈りを込めて、出発する人の手首に巻くのである。
 思うにこのバーイシーの役目は、仏様の御心や教えを端末を握った信者に電気のように伝える電線であり、短く手首に巻いた物も仏様のご利益や人の祈りが込められて帯電した聖なる糸と考えられているのであろう。「以心伝心」とする精神主義の日本では見られない習慣で、これを見るとタイ人は多分に現実実証主義的な思想の持ち主ではないかと言うのが私の観察である。


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(101号掲載)

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スッポンポン

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.07.21 Saturday

 

スッポンポン タイトルから今回のコラムは最近話題のインターネット・ポルノの事かと想像されるかも知れませんが、そこは興奮しないで抑えてお読み下さい。
 私達年配の日本人には理解に苦しむニュースですが、この頃、日本の男の子達は、修学旅行などの集団行動の際に大浴場に素っ裸で入るのを恥ずかしがるのだそうですね。昔からお風呂は裸で小さな手拭で前をチョッと隠すだけで、そればかりか湯が汚れるとして、湯船にはその手拭も入れないのがエチケットだとばかり思っていましたが、どうした事でしょうね? ほとんどの家庭にお風呂場が出来、銭湯などに行く習慣が無くなったからでしょうか?
 タイには日本のように熱い湯船に入る習慣はありませんが、一人だけホーンナーム(タイ式バスルーム)で水浴び(アープナーム)する時も真っ裸にはならないのが伝統のエチケットです。井戸端、川や池の水浴びはもちろんの事で、正式にはパーカーオマー(男性用)あるいはグラジョームオック(女性用)というサロン風の布を、男は腰、女は胸まで巻いて水浴びします。私はこれを知らないで、家内の実家の井戸端で水浴びの最中家内がタオル持って飛んで来て、厳しく叱られた思い出があります。
 水浴びだけでなく、タイ人の大好きな滝見物やビーチでも、彼らは特に水着を着けずに普段着のまま水遊びに興じています。気温が高いのと湿度が低いので直ぐ乾くから問題はありませんが、水を含んでガバガバになったジーパンや肌にまつわる濡れたシャツなどは、身動きがぎごちなく安全上も問題ありで、日本人のスッキリ感覚からは程遠いと思われるのですが、もう一つの理由には、高い旅費を使い日焼けローション(日焼け止めではない)で肌を焼こうとする寒帯人間の旅行者と反対に、何とかこれ以上黒くなりたくないタイ人を含めた熱帯人間の白い肌悲願(失礼?)もあるのでしょう。
 いずれにしてもタイ人は特別の場合(?)以外には、スッポンポンになる習慣を持ち合わせません。日本人男性の「よくぞ男に生まれけり」のスッポンポン思考はタイではエチケットの大違反になりますから、自宅でもタイ人雇い人などの目を考えて、行動に気を付ける必要があるのではないでしょうか?
 CHAOの人気定番記事に『温泉探検隊』があります。読者の方でこれを読んでの田舎温泉巡りをなさる際には、露天風呂にスッポンポンで「アーいい湯だな!」とは残念ながら参りません。ただでさえ温泉を楽しむ風習の少ない地元の人達に、マナー知らずの野蛮人が来たと顰蹙(ひんしゅく)を買わないためにも、温泉行きにも必ず水着のご用意をお忘れないように。


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(100号掲載)

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「黄色いバケツ」

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.06.19 Tuesday

 

99号ギャギャップ黄色いバケツ 日本にはお中元、お歳暮という習慣があって、知人や日頃お世話になっている方などに贈り物をする。その時期になると商店、デパート、スーパーではその為に贈物用としてセットされた商品を、特定のフロアやコーナーを設けて商戦を展開する。タイにはお中元やお歳暮の習慣は無いが、出産、病気見舞い、その他の祝い事やクリスマスなどに贈り物をする習慣は広く根付いているようで、デパートやスーパーなどではギフト・バスケットと呼んで籐の籠に食品や嗜好品などを形よく盛ったものを常設してあるコーナーがある。もちろん、クリスマス前などにこのコーナーが拡大されるのは、日本の場合と同じである。
 同じ贈り物セットでも、日本では見られないセット商品がタイにはある。既に皆さんお見掛けと思うが、食品、嗜好品に歯磨き、石鹸、洗剤などの日用品を黄色いバケツに入れて、黄色のプラスチックを被せたセットである。これは仏教徒が多く、お寺やお坊さんに喜捨(タンブン)する人の便利を諮ってのセット商品だから、見た目も便利そうで値段もそこそこだからとユメユメお寺以外の所に持っては行ってはならない。タイの仏教徒は生前にタンブンして徳を積めば、死後に極楽の世界が開けると信じている。また、結婚式は神道や教会で葬式にはお坊さんを呼ぶという、宗教を無茶苦茶に借用利用する日本人と違って、タイの人は平均月に2回くらいはある定番の仏教の行事はもちろん、個人的な祝い事や悩み事には必ずお寺に出向く。お坊さんに参詣に来た理由を述べ、お坊さんはお経の中に個人の名前などを読み込んで唱え、その後、ごく気さくなお説教、あるいはアドバイスがある。
 物日はもちろんだがこのような場合のタンブンに手軽に提げて行くのが黄色いバケツのタンブンセットである。お金を入れた封筒だけだとある程度の金額が必要だが、標準型のバケツセットが200から500バーツ以内でこれに小額の現金封筒を添えれば見栄えも良い。だから少し大きな雑貨屋、デパート、外資系のスーパーでもコーナーが常設され、恒例の仏教行事前には売り場が拡大される。その中身を見てみると普通小売値段が1個が数バーツから数十バーツ位の日用品が主であるが、これらがバケツ1杯となると果たして200〜300バーツのセット価格で出来るのか?
 今回のコラム末尾を飾るのドンデン返しのギャップはここである。同じ疑問を持った消費者保護局の開封検査がローカルTVで放映された結果によると、10個入りのパッケージの中身は2、3個しかなく、残りは空気、標準型の歯磨きや石鹸の箱には2、3回分しかない超小型旅行用の品が入っているのである。しかしこれら原価のトータルと販売セット価格は大体バランスしているので不問に付された。さすがコピーキャットで名高いタイ人の仕事と感心する。値段の手頃と便利さにつられて中身のカラクリを知らずにこれを寄進する人は非常に多いのだが、この上げ底タンブンを受けられる仏様はどう思っていらっしゃるのか? 南無阿弥陀仏!


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「スリッパ」

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.05.22 Tuesday

 

ギャギャップ90号スリッパ スリッパは元来スリッパーという外来語で、家の中でも靴を履く西洋人の室内履の一種が、日本の家庭用品として定着したらしいですね。日本人もタイ人も住宅には靴を脱いで上がる習慣ですが、タイには元々スリッパは無くて、10数年前は何処にも売っていませんでした。こんなものは何処でもあるだろうと、引越し荷物に入れなかった日本人は苦労しましたよ。売っていたのはタイの日系百貨店のはしりで今は無いタイ大丸バンコク店くらい。品揃えも在庫も少なく、いったん品切れになると暫らくは手に入りませんでした。その頃タイ人はハイソの人でも高価なペルシャ絨毯や輸入大理石の床をペタペタ裸足で歩くのが普通でしたが、最近は流行をコピーするのに熱心なタイの若い世代の需要があるためか、モダンな小物屋やギフトショップなどで見かけます。しかし、これらの多くはファッション・アクセサリーとしてムーミンやバーニーなどのコミックキャラクター商品で、定番の日本式スリッパはまだ少ないようです。ちょっと注意する事は、タイでは道路とあまり段差が無く床もタイル張りなのに、履物を脱いで上がるように要求?している事務所やお店が時々あります。入り口の外側に履物が並んでいるような場合は、ウッカリ入るとしかめっ面をされたり、注意されたりして気まずい思いをしますから気をつけましょうね。
 さてスリッパに関して、日本人とタイ人の考え方は全く正反対らしいです。玄関の上がり口に小さなマットを置く習慣は日本にもタイにもありますが、日本の場合はほとんどワンポイント・アクセサリー的で置かない人もいます。一方タイのマットは一見して材質や形とも足拭き用で、庶民の家では使い古したバスタオルや用済みのTシャツで代用した上に、少し水気を含ませたりしています。これがどうやらギャップのポイントのようです。日本ではスリッパは重要な接客用品で、「よくお出でくださいました。我が家は汚くしておりますので、おみ足が汚れないようにこれをお履きください」という謙虚なへりくだった接客マナーを表し、客は「丁重なご配慮ありがとう」と感謝し履きます。だがタイ人はムッとするんだそうですよ。「俺はチャンと履物を履いて来た。マットで足も拭いた。それでもまだお前の足は汚くて、綺麗な部屋を汚すからこれを履けと言うのか?」と勘ぐると聞いた事があります。
 伝統や習慣の違いは恐ろしい。善意でしたつもりが、とんだ誤解?を招くとは、くわばら、くわばら!

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「賄賂(わいろ)」

カテゴリー: ギャ!ギャップ!これって常識?非常識? | 2007.05.21 Monday

 

ギャギャップ98号賄賂 日本人のほとんどはこれに関しては自分は清廉潔白と自負している。日本にも賄賂や汚職はあるけれど、それは高い雲の上で政治家や企業関係者が驚く程の高額の金銭や利権を巡っての事で、個人が関わる事はほとんど無いからであろう。ところがタイに住んでみると、ピンはともかくキリに至っては百バーツ単位で庶民の日常生活に割り込んでいる。これを知って呆れて口の塞がらない、或いは義憤やる方無いロングステイヤーの話は沢山聞こえて来る。国民から公的に徴収した税金などを公平に分配して、それで公共のサービスが運営されるという原則がこの国では全く機能していないのが、賄賂、キックバック、手数料などの不透明な取引を生む温床なのである。
 あるロングステイヤーがタイ人配偶者の名義で土地住居を購入した時、登記窓口の係官は開口一番、「この事務所は西日が差して暑くてかなわん」とのたまわった。気転?の利くタイ人妻が早速カーテンを寄付したら、登記事務はスムーズに完了したと言うエピソードがある。住民と直接接する末端の役所などでは、事務机一式の予算が認可されても椅子の部分の金額が何処かで食われて机の分しかお金が来ず、椅子は別途に工面するしかないといった図式は珍しくない。
 タイ政府が公表する不透明度の2横綱に警察と税関がある。警察は予算以外に集金能力?が高いと見なされて初めから運営費用の割り当ては少なく、自助努力?を強制される。第一線で勤務の警官は薄給の上、拳銃も無線機も自己負担となれば、ただでさえチマチマと生活する習慣の無いタイ人には無理。特技?を元手に金行のガードマンや怪しげなバーの用心棒を内職とせざるを得ない。署自身の運営も、予算だけではパトカーの燃料費にも事を欠く。交通違反の反則金?などと領収書も無く徴収される金は、その本人の私腹を肥やすケースはむしろ希である。伝統的な配分率で、署の必要経費、署員の福利厚生、更に上層部への上納金として処理されるのが決まりである。言って見れば、親分とチンピラ、○○組のヤーさんの仕組みと同じなのである。交通違反などで自己の潔白を主張して示談?に応じず、身内や友人を通訳に本署に出頭してもらったとしても、こちらに勝ち目は全く無い。訳の判らぬ調書にサインさせられて、更に高額の罰金を納めるのが落ちである。国庫に送られたその金は所轄の警察には還元される事は無く、双方とも時間と労力や費用の無駄使い以外に何物も無い。
 ロングステイヤーは他国の悪習と戦う白馬の騎士ではないし、間接税以外の税金を払って居住しているケースは希である。だから単純な商取引と考えて、自分のソロバンの許す範囲で対応すれば良いだろう。そして絶対避けねばならないのは、この抜け穴を利用すれば何でも通る国との間違った思い込みを持つ事である。

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