チェンマイ発・ちょっとディープな北タイ日本語情報誌CHAO『ちゃ〜お』は毎月10日、25日に発行。本文へスキップ

日本人の自殺や弧老死の波紋

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.05.21 Monday

 

 11月下旬にチェンマイ市内で日本人の悲しい死が相次いだ。一人は、ロングステイ中の老人で、滞在先ホテルで急病が原因で弧老死。もう一人は、ホテルに長期滞在の青年が自殺。前者は地元新聞の記事とはならず、後者は2つの代表的な地元新聞に1面トップで大きく報道された。
 チェンマイ・チェンライを中心に、年配・老人のワケあり単身ロングステイヤーが急増。それにともなって、今後弧老死が増えるのではないかと、以前のこのコラムで記した。なにせ異国での単身暮らしでは、言葉の壁などもあり、非業の弧老死の確率は高くなるのも現実であろう。それをできるだけ避け、あるいは事が起こった場合の相互扶助など、有効な方策を具体化する段階にきているのかもしれない。 
 次に、地元新聞でトップ面に大々的に取り扱われた日本人青年の自殺。今回は、地元新聞でのその事件のショッキングな取り扱いに、在住日本人も少なからず驚いたのではないか。地元紙の一つには、トップにその事件の大きな写真。ホテルの部屋のトイレで発見された青年の首吊り死体が、なんらぼかしも入れずにそのままで掲載。それだけでなく、自殺者がはっきりわかるようにと、多分パスポートからだと思われる顔写真も掲載。それにさらに驚いたのは、日本語で記された短い遺書がそのまま写真で掲載。もちろん新聞読者のタイ人には理解不能だが、日本人には一字一句まで読めて、遺書の最後に記してある青年の漢字での正確な姓名まで判明。タイの新聞では、死体や遺体をほぼそのまま掲載する場合が多いのは事実。発見時の死体写真をそのまま掲載する場合も普通といえるので、今回の悲惨な写真もその延長線上で、タイ人には驚くべきことでもない。しかし、タイ人に読めない日本語遺書まで公開するなどとは。こちらの新聞では、殺人、事故死や変死や自殺死記事などでは、遺体の写真が載るだけでなく、事故の起こったホテルなどの名前のみならず部屋番号さえ記すのが普通。あるいは妻や愛人名とその住所まで記されるのも普通と考えたほうがよい。
 日本では、プライバシーや個人情報の保護、自殺など社会を暗くする記事は基本的には自主規制、悲惨な死体写真は遺族の心情など考えてタブー視する。以上のような観点は、こちらの新聞にはほとんどないということ。その善し悪しの議論は別にして、万が一の不幸の場合は、このマスコミの現実と否が応でも向き合わねばならない。日本人在住者やロングステイヤー、日本人旅行者はこのことを肝に銘じておく必要があろうかと。
 杞憂に過ぎないといいのだが、チェンマイやチェンライのロングステイの人気ぶりとは裏腹に、こちらに死に場所を求めにやってくるようなロングステイの影がぼんやり見え隠れする。こちらで単身者が突然の死となると、異国だけに総領事館の手を煩わすことになる。そして遺族が急遽日本から飛んできて、現地通訳者を雇い、遺体引取り・火葬・葬式などと慣れぬ事後処理を急いで行なう必要に迫られる。
 弧老死や自殺に関して、死者に鞭打つようなことは避けたいが、その現地マスコミ報道や事後処理など祖国日本とは雲泥の差であることを知っておいて欲しい。

(89号掲載)

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単身ロングステイの夢(2)

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.05.21 Monday

 

 年配単身ロングステイヤーが、必死にタイ語をマスターする努力をし、自分の努力でタイ人伴侶を見つけ出すことは、困難だが不可能ではないであろう。その場合に、安易にその筋の怪しげな業者や裏稼業の個人に依頼しないことだ。自助努力でも、少なくとも、日本よりは数十倍もその“夢”の実現の可能性は高いであろう。
 真摯で誠実に、かつ、カネを必要以上にケチることなくお付き合いして、一緒に一つ屋根の下に暮らせたとする。そうなると、誤解を恐れずに言えば、羨ましい御夫婦ロングステイヤーと、侘しい年配単身ロングステイヤーの位置関係が、ある意味で見事に逆転したともいえる。もちろん、くっつくのも簡単ということは、離れるのも簡単ということになりがちで、それは、長続きせず終わることも少なくない。だが、その当初の間だけに限れば、年配単身ロングステイヤーの陰が、くしくも光に転じたケースといえよう。
 再度、誤解を恐れずに言えば、ワケありの男性年配単身ロングステイヤーが、見えないところで爆発しているのも、その思惑には“当地の年下の女性とあわよくば”が、当然のこととしてあろう。年の差など関係なく、とりあえずは一緒に暮らしたり、結婚したりするのは、より誠実な考えならば、それはむしろ喜ぶべきことであろう。
 それは、単身男性ロングステイヤーの、チェンマイの見果てぬ夢ともいえる。しかし、相手のあることだし、それなら私も・・・などと簡単にはいかないのが現実。それには、こちらの言葉を習得する努力や、異国の人であるという理解と寛容性、相手の家族を曲がりなりにも、可能な限り受け入れる我慢などが必要になる。そして何よりも、こちらの物価レベルでも、程々の経済的余裕がないと、長続きするのは至難の業かもしれない。そして、何よりも、その土台になるのは、なんといっても自立した確固たる信念であろう。
 なにも、年配単身男性ロングステイヤーに、当地の女性との一緒の暮らしを、強く勧めているわけではけっしてない。ただ、彼らがそう望むならば、あくまで自助努力で頑張れば、その可能性は、日本よりかなり高いということだけである。
 さて現実であるが、年配単身男性ロングステイヤーが、こちらの年下の女性と、ねんごろなお付き合いを続けている方も、意外に少なくない。まあ、月々何がしかのカネを渡しての、援助交際(?)・愛人交際(?)のケースがほとんど。しかし、大きな年齢差などものとせずに、事実上の結婚や正式結婚に至った方も、ちらほらと見受けられる。
 老齢の方はさておき、年配単身男性ロングステイヤーが、現地女性とともに暮らすようになれば、ロングステイヤーから定住者になる。このケースが、今後徐々ではあるが増加していくような気がする。となると、それを当て込んだ、女性紹介のビジネスが、陰に陽に盛んになりそうである。日本人男性への結婚や交際の紹介ビジネスは、騙す気になればボロ儲けをできるビジネスとの業界の噂である。また、闇を覚悟で、それをおこなっている懲りない定住者もいるらしい。甘言を弄しての、そのような業者や個人には警戒心を怠らない慎重さが求められる。バツイチの年配単身ロングステイヤーであっても、何とかタイ語を勉強して、こちらの人に溶け込む努力を。そうすれば、周囲にタイの知り合いや友人を多く持てるようになり、単身者から定住者と安定することも夢ではないでしょう。
 
(83号掲載)

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単身ロングステイの夢(1)

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.05.21 Monday

 

 間近に大きな波となって押し寄せるであろう、団塊世代のチェンマイ・ロングステイ。それに向けてのロングステイビジネスが、日本でもチェンマイでも玉石混交で盛んになっている。それはそれとして、チェンマイ・ロングステイの、いわば影の流れとしての、老齢・年配男性の単身ロングステイが、すでに爆発している。このことは、以前に述べたので、今回は「単身ロングステイの夢」。
 老齢・年配単身ロングステイヤーの大半は、別居や死別、離婚などワケありでチェンマイに辿り着いた方々であろう。このような単身男性にとっては、「サヌック(楽しい)・サバーイ(気持ちよい)・サドゥアック(便利)」の微笑みの国は、諸物価も安いこともあって、いわば「空気」さえうまく合えば、単身者天国にも相当するかもしれない。
 しかし、ここでも以前述べた「ロングステイ3年説」が、大きな壁となって立ちはだかってくる。物価安で支出が抑えられ、日本社会のように他人の目を気にすることもない、のんびり単身暮らし。でも、所詮は「侘しい男やもめ暮らし」の深遠が影のようにつきまとう。ところが、多少のタイ語会話をマスターし、カネをケチらなければ、当地の年下や若い女性達と案外仲良しになれる。さらにカネを注ぎ込めば、ねんごろになれる場合も。いまどき、否、ずっと前から、老齢・年配単身男性など、日本では女性陣から冷たい視線を浴びることはあっても、お付き合いしてくれるなど不可能に近い。ところが、チェンマイでは、日本では考えられないほど、安い投資(?)でいとも簡単に、あれこれ気軽に仲良しになれる。たとえ、それが日本人の懐の財布へ打算が働いていようと、ともかくお付き合いは難しくない。もっとも、そんな機会さえうまく活かせない、老齢・年配単身男性も中にはおられるのだが、そんな方はそれで構わないのであろう。
「侘しい男やもめ暮らし」の暗い深遠に向き合わずに、お金に物を言わせて、手っ取り早く「女の紹介」を、その筋の斡旋業者や闇業者に依頼する、老齢・年配単身男性ロングステイヤーも、いつまでたっても後を絶たない。そして、裏で巧妙にその女紹介をして、ぼろ儲けを企む懲りない日本人定住者も、また後を絶たない。紹介された女に、結局、家や車や商売資金などで、5百万円や1千万円をパーにした話は、ゴロゴロと転がっている。
 このように、なんとなく負のイメージがつきまとう老齢・年配単身ロングステイヤーではある。だが、年配男性の方の中には、当地女性との真摯なお付き合いを経て、結婚やそれに近い形までこぎつける方も少なからずおられる。多くの場合、その年齢では日本での結婚や再婚など問題外と諦めた、いわゆるバツイチも最たる年配の男性。大概は、大きな年齢差のカップルだが、そんなことをたいして気にせずに暮らせるのが、タイの社会の寛容性でもあろう。そのような年齢差カップルの危うさは否定できないが、ともかく、幸運にも侘しい単身ロングステイを卒業して、一つの部屋に一緒に暮らせる心のよりどころができたのだ。そうなると、日本人年配御夫婦のロングステイヤーより、数倍も活き活きと、かつ、相手がタイ人だけに、余裕を持って暮らしているように思える。

(続く)

(82号掲載)

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誰にでも起こりうる交通事故

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.05.21 Monday

 

 数ヶ月ならずとも、チェンマイに短期滞在すれば、バイクを中心とした交通事故を見聞きし、その多さを肌で実感する方がほとんどだろう。なにせ、チェンマイ県のバイク保有台数は全国1位とのこと。チェンマイに限らず、タイでは交通事故は日常茶飯事に思えるような多発ぶりだ。統計によれば、交通事故死者数は年間1万3千〜1万4千人。負傷者数は年間60万人余り、交通事故による身体障害者は年間10万人余り発生している。交通事故による年間の経済的損失は推定1千億バーツとのことだ。
 ロングステイ候補地として人気急上昇中のチェンマイではあるが、バイクを中心に交通事故に遭遇する可能性が、日本より数倍も高いと覚悟したほうがよさそうだ。そのような中、不幸にも、知り合いの年配単身男性ロングステイヤーが、バイクを運転中に自動車とぶつかるという交通事故に遭った。大病院の集中治療室にいるとのことで、見舞いに伺う。肋骨が2本折れたのだが、大きなひびみたいなもので、たいしたことはなくて3日間で退院。自宅静養で骨が自然にくっつくのを待てばよいことになった。
 運が悪くこのような交通事故に遭い、病院に運び込まれて治療を受ける場合、当人は病室のベッドの上で動けないのは当然だ。そのような場合に、親しい友人らが早急に事故処理の面倒をみることが必要であろう。ケースバイケースではあるが、以下に、あくまでその「事例の一つ」として列挙してみよう。

ヾ埜酩悗覆匹法∋故担当の警察署を聞きだし、警察署に出向いてバイクなどの事故車両を見つけ出す。破損状況を詳しく点検すれば、事故の様子が推測できる。
警察署で、該当する事故の現場検証記録簿を見せてもらう。現場に出向いた警官に、双方の過失度を中心に、事故発生の詳しい様子を聞きだす。
事故の相手方との事故処理の相談(保険の件も含めて)と、事故車両の返却に必要な手続きや必要書類を聞き出す。
ど賊,琶欷雲禅瓩僚駑爐鬚發蕕ぁ∧欷渦饉劼慇禅畆蠡海に行く。

 上記のような事故処理手続きを入院中の当人に代わって、なるだけ迅速に行う必要がある。そうとなると、言葉の問題などで日本人では到底手に負えない。だから、信頼できる日本人に加えて、緊急時に頼れるタイ人がどうしても必要だ。特に年配男性ロングステイヤーは、日頃からこのような万が一の場合を想定して、準備しておくことが求められる。タイ人配偶者を持つ信頼できる日本人定住者と、日頃からお付き合いをしておくのも一つの方策ではないかと強く感じた。

(81号掲載)

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終の棲家を求めて!

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.05.21 Monday

 

 チェンマイを中心とするロングステイは、もはや押しとどめることのできない大きなうねりとなりつつあるようです。そして、そのうねりのなかで、男性の方、それも年配や高齢の方の単身ロングステイが爆発しそうな情勢です。
 もうかれこれ10年前でしょうか。「タイは若いうちに行け!」とのキャッチコピーをタイ政府観光局が日本のTVで宣伝していました。そのキャッチコピーには、「なんとも大胆なことを!」と、思わずにんまりしたのを覚えています。時代は巡って、「タイ(チェンマイ)は年とってから行け!」ではありませんが、チェンマイ市内には、ロングステイ関係の年配の単身男性やご夫婦の方を、本当に多く見かけるようになりました。それも、ここ数年で、それ以前はほとんど見かけなかったのですから、驚くべき変化に思えます。 このコラムでは、ずっとロングステイの「影」の部分を多く記してきました。読者の方からは、もっと希望と夢を与える「光」の部分を紹介してほしい、との声も寄せられてきました。もっともなことでしょう。しかし、実際にチェンマイにやってきて、数週間なり過ごして、積極的に外に出て現地の人たちと接すれば、おのずと良さや魅力を肌で感じると思います。それを感じない方がおられたら、それは「自分と空気が合わない」ので、別の国や場所を求めて去っていくでしょう。
「こちらがおっちゃん、おばちゃんでも、こちらの若い人は、微笑みを自然に返してくれますね。これは本当に嬉しいです。日本なんかで、見ず知らずの人ににっこり微笑んだら、それこそ変な目で見られ馬鹿にされます。とくに、今どきの日本の若い女性に微笑を投げかけたら、それこそ変態扱いされますよ!」
「こちらは、目上の人に対して尊敬の念をしっかり持っています。そして、特にお年寄りに対しては皆さんが親切にするようですね。こんなことは、今の日本ではもう望むべくもありませんね!」
 上記のような趣旨の印象を、嬉しく語ってくれる日本の方がしばしばいらっしゃいます。極端な物言いかもしれませんが、これが、年配や老齢の単身男性の「チェンマイの居心地の良さの原点」ではないでしょうか。
 いや、若い女性が笑みを見せて親切にしてくれるのは、財布のお金に対してで、勘違いもはなはだしい。そのようなクールな見方をする方も多い。それを否定はしないし、むしろ、当たっている場合も多いでしょう。それは男性の方が特定の若い女性に迫る場合に当てはまるでしょうが、今回の話は日常生活で出会う一般の人のことです。
 人と人の日々の何気ない交流に、笑みと親切が自然な形で介在する場合が多いです。このことがチェンマイ(タイ)の大きな魅力、あるいは癒しになっているような気がします。
 その交流の居心地良さを繰り返し感受してしまうと、年配・老齢単身男性は、日本に背を向けてしまうでしょう。隣近所はもちろん、兄弟親戚の間柄でさえよそよそしい交流しか期待できない日本。常に他人の目を気にして暮らさなければならない日本。そんな日本など、帰りたい場所ではなくなってきます。こうして、チェンマイが終の棲家になっていく年配・老齢の単身男性が少しずつ増えていく傾向になるでしょう。もちろん、それ相応の生活費は必須でありますが、お金のかかる人付き合いや遊びも限定し、節約を心がければ、それこそ日本では考えられない少ない出費で暮らせます。
 
終の棲家の幻想!

 最近になって、年配・老齢単身男性の方で、不運にも、交通事故や病気で突然倒れるという不慮の事態に遭遇された話を耳にするようになってきています。そのような場合、周囲の身近な日本の方に何かと世話になって、窮地を脱しているようです。
 今後年配・老齢単身の男性のロングステイが爆発的に増大すると、年齢が年齢だけに、突然入院したり、突然死亡したりする方が増えてくるでしょう。その時になってみて初めて、ここは日本ではなく、所詮は異国のタイでの孤独な一人暮らしという、重い現実と不安に気づかされるのかもしれません。
 日本のように隣近所や周囲の目を気にかけることなく、微笑みの国タイの人々の持つ寛容な空気の良さ。それに甘えてしまい、ついついタイを終の棲家にと考えてしまう年配・老齢単身の男性ロングステイヤー。このようなことを述べた方がおられます。「ここを終の棲家として骨を埋めるかどうかは、私が決めることではなく、あくまでタイが決めることでしょう!」と。

(70号掲載) 

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ロングステイの呪縛から逃れて、ロングステイよりショートステイを!

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.05.21 Monday

 

 チェンマイ・ロングステイとは、「物価の安いチェンマイで暮らしませんか?」と同義語になっているような感がします。日本では一時(今でも?)、「田舎に来て自然の中で野菜を作ってのんびり暮らしませんか?」などと、過疎に悩む村などから、物価の安い田舎暮らしの呼びかけがありました。
 日本の田舎へ行くような感覚と、あくまで外国であるチェンマイへ行くのとは、それこそ雲泥の差があります。言葉も生活習慣も法律も何もかも異なる外国に、物価安だけ求めてのロングステイ暮らしなど、3年もすればおのずと限界が見えてくる場合が多いのではないでしょうか。(そうなるであろう要因については、以前記したので割愛)。
 タイトルにも記したように、猫も杓子もロングステイとの思い込みから、一歩離れて冷静になって考えてみるのも悪くはないでしょうか。
「チェンマイとはどんなところなのか、現地で1ヶ月ほど滞在してみようか?」
 こんな軽い考えのほうが良い気がします。そうすれば、特別なビザなど不必要で、ちょっと長い旅行気分で来ることができます。家賃5千バーツ前後の部屋(探せば見つかる)を1ヶ月だけ契約して、ともかくチェンマイをあれこれ好奇心を持って出歩くことです。面白くて、もう1ヶ月いたいなら、部屋の契約をもう1ヶ月延長し、メーサイへ国境の旅気分で出かけて、ミャンマーに出国してすぐに戻れば、また30日間の滞在が可能です。また、空港近くのチェンマイのイミグレーションに出向けば、10日間の滞在延長を手数料さえ払えば簡単に許可してくれます。
 そして、日本に帰国して、チェンマイを冷静に客観的に見直すのです。もっと知りたい・調べたいなら、再度の1ヶ月ないしは2ヶ月の滞在をして、また日本に帰国して、チェンマイを冷静に見直す。これを、ロングステイと区別して、あえてショート・ステイと名づけたいと思います。このショート・ステイでは、原則的に日本人に頼らず、頼るとしても最小限度に抑えて、あくまで現地の人の中に積極的に入っていく心がけが必要でしょう。最初からロングステイを目指すなどと思い込むから、大きな不安を抱えてしまうのではないでしょうか。チェンマイ・ロングステイなる言葉の呪縛から逃れて、ちょっとした長い旅行のショート・ステイ・チェンマイを楽しむ方向も悪くはないと思います。

 ロングステイよりリピートステイを!

 ショート・ステイを最低でも数回繰り返し、自立したロングステイの方向性と自信が出てきたら、本格的なロングステイにチャレンジしても、決して遅くはないと思います。そこで、ロングステイするのに、ここでもロングステイと気負うことなく、リピートステイを行うのがベターのような気がします。
 日本での暮らしと、チェンマイでの暮らしを数ヶ月単位で繰り返しておられる方、あるいは大半は日本の暮らしだが、年に数回は2〜3週間滞在する方。まさに、ロングステイではなくリピートステイの方になるのだが、そのような方はチェンマイに滞在中は、活動的で生き生きしているように思えてなりません。それに比べて、ロングステイなされている方には、大して変わりばえのしない惰性的な生活を持て余しているような方が、少なくないのではないでしょうか。
「チェンマイに飽きてきて日本に帰るのですが、日本に帰ってしばらくすると、なぜかまたチェンマイが恋しくなって、戻りたくなるんですよね」と語ってくれた方の言葉が、妙に印象に残っています。

(69号掲載)

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増加する単身ロングステイ

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.05.20 Sunday

 

 海外ロングステイ先として注目を集め、人気上昇中のチェンマイ。確かに最近は、街角や有名スーパーで見かける年配の日本人が、急増している感がする。その急増するロングステイヤーだが、ご夫婦でのロングステイヤーは意外にも微増で、年配以上の単身ロングステイヤーが急増しているようである。ひと口に単身ロングステイといっても、実に様々な経過と背景を背負っており、一概にひとまとめにできない複雑さがあろう。以下に、一応タイプ別に分けてみたのだが、ロングステイの範疇におさまりきれないタイプもあろう。その単身ロングステイヤーにも様々なタイプが見受けられる。

1.最初はご夫婦ロングステイだったが、奥さんが帰国して夫単身ロングステイになった。

2.最初から奥さんの承諾で、期間限定(?)単身ロングステイ。

 これは、日本とチェンマイの2箇所で生活拠点を持つことになり、夫や奥さんの日本との行き来の回数も少なくない。となると、航空運賃がかなりの出費になるだろうから、ある程度経済的な余裕がないと行えないだろう。4月前後のチェンマイの酷暑季などは、日本でうららかな春を満喫する方も少なくないなど、傍目からは、ちょっと恵まれた羨ましいロングステイともいえる。

3.離婚・死別などして身軽、あるいはずっと独身の方の単身ロングステイ、リピート・ロングステイ。

 この大半は年配以上の男性。このタイプが意外に多いことに気づかされる。そしてさらに大別すると、すでに日本の兄弟親戚とは疎遠になって日本に帰る必要がなくなった方、年老いた親の面倒などでたまには日本に帰る必要がある方。それに、数ヶ月おきに、数ヶ月滞在するリピーターの方。
 このタイプは、日本とは疎遠になったり、ある意味で縁を切ったような身軽さ。単身となると、住むには格安なワンルームでもいっこうに構わない。否、独り暮らしなら、そのほうが落ち着く可能性が高い。人知れずひっそり暮らすなら、月3千バーツ以下の部屋でも我慢できるだろう。つまり、見栄を張りさえしなければ、住居費は驚くほど安くつく。となると、諸物価の安いチェンマイは、それこそ単身者天国に近いかもしれない。節約すべきところを節約すれば、月々の生活費は多くなくとも、そこそこいろんな趣味や遊びにある程度興じることもできる、いわば麻薬的魅力がチェンマイには大いにある。年齢層で大別すると、50代で退職して貯金を少しずつ崩しての年金待ち組。60代以上で、ある程度の、あるいは多くない年金で暮らす組。年金など関係なしに、今まで貯めた金や株の運用(このタイプが意外とおられる?)などで暮らす組などとなろう。 このタイプは単身なので、男の場合はどうしても、現地の女性をいろんな形で求める場合が多くなるのは、止むを得ないのかもしれない。その結果、相手の女性と、金銭面でのトラブルを起こす場合も少なくない。

 このように男性がほぼ占めるであろう単身ロングステイこそ、チェンマイ・ロングステイの大きな割合を占めているであろうことが、容易に推測される。単身ロングステイの蜜を求めて、今後は爆発的に増加していくのではないだろうか。団塊世代の定年を数年後にやってくるのだが、そのときに急増するのは、間違いなく年配男性の単身ロングステイではなかろうか。夫一人、離婚・死別などして身軽、あるいはずっと独身の年配男性には、チェンマイは天国に違いないだろう。だが、パンドラの箱に変わる可能性も大いにあるだろう。 

(68号掲載)

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危うさいっぱいの人紹介

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.05.20 Sunday

 

<親切心から人を紹介!>

 現段階では、新参の本格的ロングステイヤーよりも、ロングステイに備えての下調べというか、短期間の滞在者が試行急増しているようです。どちらも、実際に長期滞在するにあたっての、いわゆる衣食住を中心に、病院の医療面などを含めて、いろんなことをまず試行体験しながらチェックしてみようとのことでしょう。何もかも異なる異国ですから、いきなりのロングステイは、やはり無謀に近いのはいうまでもありません。ホップ・ステップを経てのジャンプということで、このような傾向になってきたのは、好ましいことに違いありません。
 そのようなロングステイ前段階の方や、ロングステイし始めた方などは、すでにロングステイを行っている方やベテラン定住者に、あれこれと情報を得たり、相談を持ちかけたくなります。煩雑なビザ関係、住まい関係、車・バイクの購入関係、タイ人・日本人含めてのこじれたとの人間関係などなど、実に多岐にわたる相談なので、相談されたほうも困る場合が往々にして出てきます。そこで、相談内容に応じては、その方面に通じている顔見知りや、知り合い、該当する掲載広告などを紹介する場合も少なくないでしょう。
 チェンマイに巣食っている、ごく少数の懲りない日本人たちは例外として、親切心から「あの人ならば大丈夫だろう」と、さほど深く考えずに紹介してあげる場合が少なくありません。同じ日本人ならば、困っていれば親切に教えてくれるだろう、との善意の現れで嬉しいことです。
 ところが、この安易な親切心が、時として相談を持ちかけてきた相手に、多大な迷惑や金銭的被害を与えてしまう場合が、往々にして起こりうるから厄介なのです。自分には確かに親切にしてくれたと思っても、不安を抱いている不案内の新参の相談相手にも、同様に親切にするとは限らないのです。
 「人あたりも良いし、誰にも親切そうな感じだし」と、その人を紹介。しかし、しばらくして、その人のよからぬ噂が耳に入ってきて、よけれとその人を相手に紹介した自信がぐらついてくる。場合によっては、紹介した相手がうまく正体を隠蔽して、相談に来た新参者を詐欺・ペテンまがいの手法で、あぶく銭をせしめることも無きにしも非ずです。こうなると、騙された相手は、善意の紹介者をグルではないかと疑念を抱くようになるのも、無理なからぬことかもしれません。こうなると、よけれと親切心から紹介したに過ぎないのに、とんだとばっちりを食わされる羽目にもなります。
 誤解を恐れずに言わせてもらえば、騙すベテランの日本人は、小金を持ち騙しやすい日本人なのか、マイナス情報を知っていて騙せない相手なのかぐらいは、騙してきた経験からすぐに感知するでしょうから。こんなことは、チェンマイに限らず、他でも似たりよったりだとは思います。だが、チェンマイは狭い日本人社会ゆえに、騙す・騙されたの噂が燎原の炎のように広がっていく危うさがつきまといます。それが狭いチェンマイの怖さでもあります。
 日本人は雑誌などの活字本に堂々と紹介された人物や、表舞台で派手に活躍している人物には、何の疑いも抱かず立派な人だと、無邪気に信用してしまう傾向があります。特に異国などで活躍している日本人などと紹介されると、素晴らしい方だと尊敬に近い念さえ抱いてしまうでしょう。まあ、そうなるのが当然でしょうが、ごく一部ですが、それを逆手に利用しようとするずる賢い人もいても、なんら不思議ではありません。
 過去を振り返ると、チェンマイ関係でTVや雑誌に紹介された人物が、こともあろうに日本人相手に詐欺やペテンまがいを繰り返している、とんでもない人物だったことも実際にありました。日本の有名な旅行会社が、チェンマイ・ロングステイ体験ツアーを組み、チェンマイ現地でのセミナー担当者が、こともあろうに、日本人相手に詐欺・ペテンまがいのことを行っている人物だったりもしました。チェンマイのロングステイ関係の雑誌になるたけ掲載されることで、読者を信用させて、ネギしょったカモがやってくるのを、てぐすね引いて待っているかもしれません。
 昔ですが、「TVや雑誌に出る人二流で、出たがる人は三流」などとどなたかが喝破していました。それは出られないひがみでしょう、と最初は思ったのだが、あとでそういうこともありうるかも、と考え直したのを覚えています。
 こちらにあるていど暮らしていて、裏や表の情報をそれなりに耳にすると、ロングステイの各種必要なことの相談を受けても、なんとも答えにくくなる方もおられるでしょう。

 <無料相談は有り難いのだが?>
 
 日本では、海外ロングステイブームの高まりとともに、ロングステイ・セミナーなどがわりと活発に開かれているそうです。貴重な現地の生情報に対しては、ちゃんと対価を払って当然でしょう。従って、そのようなロングステイ・セミナーが、まったく無料などというのはないでしょう。
 ところがどっこい、現地チェンマイに来ると、ロングステイ無料相談なる看板を掲げた、業者や個人がけっこういるから不思議です。ちょっと首を傾げてしまう方も少なくないでしょう。見ず知らずのアカの他人に、「お金は1円たりとも要りません、無料で相談にのってあげましょう」です。相談を受ける相手は、よほど暇でお金が有り余っている慈善家なのか知らん、と感心してしまいます。
 まあ、実際問題として、向かい合って座って話す相談話はまでは無料。次の段階の、相談内容を実務的にすすめるならば、その手続きの費用がこれこれかかりますという話に続き、あくまでカッコつき無料相談の意味であろう。
 こうなると、無料相談窓口を相談相手に安易に紹介してあげるのも、万が一のことを考えると、どうしても気が引けてくる方もおられることと思います。

(66号掲載)

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ロングステイ3年説?!

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.05.20 Sunday

 

<典型的ロングステイヤーは多いのか?>

 ひとくちにロングステイといっても、チェンマイ市内には実に様々な形のロングステイヤーがおられるようです。まず、定年退職や早期退職などで自由の身になり、御夫婦や単身で長期滞在する、典型的ともいえるロングステイヤー。その方々にも、2通りのタイプに分けられるでしょう。1つは、あくまでも日本に住居があり、チェンマイを南国別荘暮らし感覚で長期滞在しているが、年に数回は気候の良い日本で短期間過ごす方々。このタイプの人は、それを可能にする経済的余裕や住環境があるからでしょう。
 もう1つは、日本の生活をたたんで、こちらで曲がりなりにも腰を据えて、本当の長期滞在をなさっている方。このタイプの人は、日本に帰るというか、行く場合は基本的にはなくなるでしょう。なかには、年老いた両親を連れてきて、こちらで一緒に暮らす方も出てきています。
 別にタイ政府の肩を持つわけではありませんが、タイ政府が意図している、歓迎すべきチェンマイ・ロングステイヤーは、前者でしょう。何よりも、豊かな日本人として、それ相応のお金を落としてくれることが前提のロングステイ推進政策であるでしょうから。
 そして最近は、マスコミ等々でチェンマイ・ロングステイ天国なるものに興味関心を示して、いわゆる試験的に短期間のロングステイ体験をなさる方が急増しています。この時に、どのようなロングステイ業者を選ぶかが、その後に大きなプラス・マイナスを与えるので、ぜひとも慎重に時間をかけて検討してもらいたいものです。
 次に、典型的ロングステイ範疇に入らない、リピート短・中期滞在者もかなりの数でおられるようです。1ヶ月からせいぜい長くても3ヶ月滞在しては日本に戻って、お金と時間ができればまたやってくる。この繰り返しです。これは30歳から50歳代の、それも男性の方々がほとんどでしょう。旅行者でもなく、いわゆるロングステイヤーでもなく、ちょうどその中間ぐらいのスタンスといえます。このような範疇の方々は、ロングステイビザや年金ビザなどは無縁で、ノービザや観光ビザで事足りているでしょう。これらの方々は、新参のロングステイヤーなど足元にも及ばないほど、いろんな方面でかなりの情報通でもあります。
 そして、チェンマイにはロングステイでない定住日本人もかなりの数にのぼってきています。タイ人配偶者を得て定住している人。いわゆるミヤノーイ(妾さん)と暮らしている定住者。日本語教師やホテル・ツアー会社などに正式、あるいは闇バイトとして一定の仕事を得ながら定住している人。こちらの日本企業に派遣されている日本人、などがあげられます。
 このように考えると、典型的なロングステイヤーは、チェンマイにいる日本人の中ではむしろ少数派ではないでしょうか。そんな気がしないでもありません。その証拠といっては変ですが、TVや雑誌・新聞などのマスコミで紹介される、「チェンマイ日本人ロングステイヤー」の顔ぶれは、ほとんどある十数人の方々と何年間もあまり変わらないようです。そして、取材に値する典型的なロングステイヤーに事欠いて、ロングステイヤー範疇でない定住日本人を、あたかもロングステイヤーの如く紹介せざるを得ない状況です。
 タイで長期滞在のロングステイを試みるのと、骨を埋める覚悟で移住して定住しているのでは、暮らしの次元が大きく異なるのは当然でしょう。後者の定住をしている日本人の中で、ごく一部ですが新参のロングステイヤー相手に、陰に陽にロングステイ・ビジネスを行っている者がいます。
 定住の日本人でも、誤解を恐れずに言わせていただくと、2つのタイプに分けられます。年金を貰っておられる方や、もうしばらくで年金をもらえる方。そして、年金など現在も将来もまったくもらえない方。この差はかなり大きいのではないでしょうか。

 <試されるロングステイ>

 現時点では典型的なロングステイヤーは少なく、その意味では、今後増えるとされるロングステイヤーの先駆者だともいえるでしょう。先駆者ゆえに、苦労も多く、ごく一部ですが、先住ベテラン日本人の甘い話や親切話に、まんまと一杯食わされた苦い経験も少なからずお持ちでしょう。
 言葉も生活習慣も食事も違う、異国でのロングステイ。なるほど、当初は目にするもの耳にするものが、嬉しいカルチャーショックで、物見遊山にどこにでかけても楽しいでしょう。そんなことを話題に、チェンマイの他の日本人と話しても、話題は尽きないほどあるでしょう。
 安くて楽しめるゴルフの話。安くて食べられる美味しいレストランや屋台の話。安くて楽しめる小旅行の話。安く買える食材や日用品、家具や電化製品や土産物。安くて遊べるナイトスポット。安くて良いスパやマッサージなどなど。
 物価高の日本では考えられない、お得な格安情報は枚挙に暇がない。それはそれで結構な限りでしょうが、そんな格安自慢談義を、まさか3年間も得意げに続けてはいられないでしょう。当初は、物珍しさも加わって、美味しいと嬉しく頂けたタイ料理の数々も、タイに長くいる間に、やはり日本料理を食べたいとの里心がついてきます。チェンマイには、それこそ雨後の竹の子のように、日本食のレストランや食堂が林立してきています。しかし、ここかしこと3年間も限られた所を食べ歩くと、ここは所詮タイで、限られた日本食材での限られたメニューしかないことに気付かされます。
 また、3年間もいると、いろいろある狭い日本人村グループに飽きたり、嫌気がさしてたりしてきます。人の噂話に、安さ自慢に、ゴルフ話などと、パターン化した話の繰り返しに陥ってしまう。また、3年もいると、物見遊山に出かける手頃な観光地も、ほぼひと通り終えてしまって、あえて行く所がなくなる。
 こうなると、惰性で退屈なロングステイをおこなっているような、いいようのない嫌悪感に陥ってきます。そこで「石の上にも3年」ではないですが、先の見えないチェンマイ・ロングステイを断念して、日本の生活に戻る再方向転換を考え始めます。考えるだけでなく、実際にそのようなロングステイヤーの方々も、少しずつでありますが、確実に出てきています。ある意味では、一歩先のチェンマイ・ロングステイを暗示しているような気がしないでもありません。
 一応、区切りとして3年と称したまでで、人により3年より短くなれば、多少長くなる場合もあるであろう。だが、外出するのが億劫になり、暇を持て余し、チェンマイの日本人が嫌になる兆しがでてくるようでしたら、ロングステイも黄色信号の点滅なのかもしれません。
「ロングステイ3年説」などとは、チェンマイでロングステイをしている方や、これから行おうと計画をして楽しみにいる方には、冷や水を浴びせるようなタイトルです。このような「3年説」を打開するには、以下のロングステイが最適ではないでしょうか。
 それは、あくまで日本の家を拠点にして、チェンマイを1ヶ月以上留守にしても、セキュリティのしっかりしたコンドミニアムやマンションの一部屋を、経済状態に見合った物件で年間契約で借りておく。そして、日本とこちらの生活を交互にうまく無理なく組み合わせて過ごす。実際に、月5千バーツで、1ヶ月以上留守にしても安心できる、まあまあの貸し部屋はあるのですから。

(61号掲載)

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ロングステイの光と影

カテゴリー: ロングステイの光と影 | 2007.05.20 Sunday

 

<騙されるほうも悪い?!>

 リタイア後に海外に暮らそうと考えている日本人にとって、チェンマイは南国のロングステイ適地として、相変わらず人気上昇中です。TVや本・雑誌・ホームページなどで、チェンマイはロングステイ天国であると、いささか大本営発表の如くに喧伝されています。それは、ここ当面は押しとどめることのできない、大きなうねりにさえ思えます。
 そのうねりのなかで、詐欺やペテンまがいの被害をこうむる日本人が、新参のロングステイヤーを中心に、陰に陽に増大しているようです。それは、何もチェンマイに限ったことではありませんが、外国の事情に疎い新参日本人をカモにする、現地社会のベテラン日本人は後を絶たないようです。
 幸というか不幸というか微妙ですが、何せチェンマイ市内は小さく狭いので、日本人をカモにする懲りない日本人の人物像は、在住数年以上の情報通の日本人なら、おおよその見当はついてきます。しかし、やって来て間もない新参のロングステイヤーは、タイ語もわからず、いろいろな事情に疎いのは仕方ありません。そこで、どうしても先住のベテラン日本人や広告やお知らせに載っている日本人、日本人の集まりなど現地の日本人を頼りにしたくなります。
 現地での広告やお知らせですが、誤解を恐れずに言わせてもらえば、日本人経営とか日本人がいる店や会社の広告に対しては、2通りの見方に分かれるようです。1つは、同じ日本人で事情通だから安心できるであろう、との善意的な見方。もう1つは、日本人相手にしているのは、なんだか裏がありそうで怪しそう、との疑った見方である。
 もちろん後者の見方は少数で、広告内容文などでそれとなく匂いをかぎつけられる能力が必要です。いや、そのうさんくさそうな匂いを、敏感にかぎつけられるようにならないと、カモになり痛い目に遭う確率が高くなるでしょう。
 後を絶たない日本人による日本人への詐欺、ペテンまがいの行為。巷間でその話題が出ると、必ずどなたかが、判で押したように言います。「そんな話に簡単にのって、騙された日本人も落ち度があるのでは?」のような要旨の、冷めたというか突き放した見方が出てきます。それに付け加えて、「子供じゃあるまいし、一人前の大人だろう!」とか「事情や相場をよく調べなかったのだから、仕方あるまい!」。あるいは「まあ、高くついた授業料と、諦める他ないでしょう」。このように話されると、反論できずに妙に納得してしまいがちです。
 しかし、この強者の論理でいくと、「日本人をうまく騙したものがずる賢くて、騙された方の信じやすい善人日本人は、おめでたい馬鹿なのだ!」との論理にもなりかねないのではないでしょうか。

<クーリング・オフ制度の考え方>

 かなり以前になりますが、日本で言葉巧みに誘導するキャッチセールスなるものが流行して、泣き寝入りの被害者が続出しました。そのキャッチセールスは、不利なことは一切知らせず、とにかく強引に考える暇を与えず、素早く契約書にサインとハンコを得ることでした。つまり、契約に本人が合意したのだから、あとはそれを盾に、不当な支払を強要するのです。
 あまりにも被害が拡大して社会問題にも発展し、消費者団体を中心に国に防止策を求めました。そしてようやく、弱者の立場になる消費者を保護するために、「クーリング・オフ制度」が制定されたのです。それは、消費者が販売業者と結んだ契約に対して、期間内であれば書面による通意によって、無条件で申込みの撤回や契約の解除ができる制度です。
 ところが、民法では当然のことながら、一度契約をしたら守らなければならない(=履行)ということが義務付けられています。そのため、一方的に契約を解除することは、原則として認めていません。にもかかわらず、どうしてクーリング・オフを実行することによって、契約が解除できるようになったのかが、重要なポイントです。
 それは、民法の考え方が、契約当事者の双方に「情報や能力の差」がなく、十分に契約の内容を考慮して契約がされています。そのことが契約の前提になっていますので、その前提を無視した契約は、民法上の契約にはあたらないとしたからです。この制度の成立は、日本の消費者保護の歴史では画期的な制度です。
 もちろん、ここは日本ではなくタイなので、そのような制度など述べたところで、何の役にも立たないことは百も承知です。しかし、上記のクーリング・オフ制度を制定させたほど、日本人の消費者意識は進んでいるのです。また、「後で騙されたとして気付いても、契約したからには仕方ない」との考え方が、民法でも通用しない旧態依然とした古い考え方なのです。タイ人にそのような考えを求めるのは無理だとしても、少なくとも同じ日本人同士なら、そこまでの認識や考え方を、お互いに持ってもらいたいものです。

<陰の情報は自分で収集しよう!>

 ロングステイの光の部分の情報は、流行もあいまって氾濫しており、その気になれば、消化不良を起こすぐらいに収集できるでしょう。他方、重要不可欠とも思えるロングステイの陰の情報は、陰だけに見えにくく、マスコミ媒体ではほとんど入手困難と思われます。もちろん「ロングステイでの注意点」なる、一般的で表面的な情報は、マスコミ媒体にも付録程度に述べていますが。
 結局のところ、チェンマイのロングステイの陰の情報は、自分の足と耳で他人から直接入手する他ないのかもしれません。しかし、被害者当人からの直接情報はなかなか困難で、どうしても市井の口コミの範疇になってしまいます。
 そこで、口コミでの陰の情報には、どうしても信憑性が薄くなりがちです。そうなると、やはりより多くの方から、それとなく陰の情報を仕入れたほうが無難でしょう。人それぞれに、ものの言い方、ものの捉え方がありますので、決して鵜呑みにせず、自分なりに慎重にかつ総合的に判断することが、どうしても必要となってくるでしょう。

<ロングステイヤーの範疇は?>

 お断りしておきますが、タイ人配偶者を得て家族と定住している定住日本人は、いわゆるロングステイヤーの範疇には入らないでしょう。タイ政府観光庁も、ロングステイを「1ヶ月以上滞在の外国人長期旅行者」と定義していることからも、そのことは明瞭です。
 しかし、今だもって上記の定住日本人とロングステイヤーを、混同して捉えているケースが少なくありません。同じタイで暮らしている日本人なのだから、杓子定規で捉えて区別する必要もないでしょう。そういう捉え方をしても、それはそれでその人の考え方でしょう。チェンマイ・ロングステイの陰の部分の役を演じている方は、ロングステイヤーは少数で、むしろ大半は定住ベテラン日本人と認識した方が無難でしょう。
 チェンマイ・ロングステイは、今後も注目を集め、盛んになることと思われます。それはそれで、日本の中の一部の人にとっては、時代の流れなのかもしれません。最初の契機はどうであれ、チェンマイ・ロングステイが有意義で楽しく継続するには、どこの国でもあるであろう、陰の部分を直視する必要があるのではないでしょうか。石橋を叩いて渡る、場合によっては、石橋を叩いても渡らない、との警戒心が必要でしょう。ここは日本ではなく、異国のタイなのですから。

(55号掲載)

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